■いよいよ本命、ポルシェ718ケイマン
まず、これが2L水平対向ターボで、スバルと同じ土俵であることを考慮しなくてはならない。大してスペック的には突出していないけど、ハンドルを握った誰でもこれに乗ると、「オオッ、凄いじゃん!」って思うはず。
このパフォーマンス感覚と演出、もしスバルがWRX STIをスポーツモデルのフラッグシップとするならこれくらいはやってほしいと思う。
土台がピュアスポーツカーだから、今回のようなステージではいいんだけど、水平対向4気筒の2Lターボという古典的なエンジンをここまでレーシーに仕立て上げているというのは日本のメーカーにも見習って欲しいところ。
採点はクルマ単体92点、エンジンは91点。
■そして日本代表、スバルWRX STI
全体的に、水道の蛇口みたいな感じでジャーってひねるとジャーって出て、ちょっとひねるとちょっと出るといったリニアリティが感じられない。
ラグがある感じというか。蛇口を開けた時のラグもあるけど、締めた時のラグがあるのが気になる。
つまりWRX STIは操舵にしてもアクセルワークにしてもオーバーシュートして戻ってくる。少し足りなくてもうちょっと踏まなければいけないという細かい繰り返しが続く感じ。
リニアリティというインプレ用語で言えば、非常に微妙でデリケートな部分で齟齬があると思う。ダイレクト感が足りていない。
採点はクルマ単体89点、エンジンが88点。世界に伍すなら340㎰は欲しいところ。
(編集部註/ただし下記のとおりWRX STIは本企画登場車種中ぶっちぎりの最安値車であり、ボルボの約半額。そう考えると大健闘だと思います……)
■最後につい先日新型が登場したホンダ シビックタイプR
シビックタイプRはまだホンダの栃木研究所内でチョイ乗りしたくらいだけど、現状で日本最強の2Lターボは間違いなくこれ。
先代型からエンジンパワーは10㎰アップしたくらいで最大トルクは一緒だけど、本格派の度合いが高まった感じ。
以前は市販車っぽかったのが、今度の新型タイプRのエンジンはホントに真剣に作ったコンペティションエンジンのような凄みを醸し出していた。
その凄みを感じたのはなぜかといえば、新型タイプRはドラマチックに盛り上がるエンジンじゃなく、どの領域でも速いエンジンだったから。
ビジネスライクなセットアップのエンジンが勝つのがレースの世界だけど、そんなワークス感がエンジンからもシャシーからも感じられた。
同じ場に持ってきていればかなり高い評価ができたはず。ベンツA45 AMGに近い存在だと思う。(本格的に試乗していないので、点数付けはナシ)
■このほかの2Lターボ
VWゴルフRは公道を走るとものすごくバランスがよかった印象。ただし、個人的に公道がいいクルマはサーキットだとあまりいい結果が出ない傾向があるからどうかな。
ルノーメガーヌR.S.はサーキット特化車だったという印象がある。エンジンも上まで回せばスゴいんだけど、そこまではモワーンという感じのパワーフィールだし、街中ではちょっとストレスも。
そんなわけで、本企画での結論:1位ボルボS60ポールスター、2位メルセデスベンツA45 AMG、3位ホンダシビックタイプR、4位ポルシェケイマン、5位スバルWRX STI、6位VWゴルフR、7位ルノーメガーヌR.S.
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