一番いいのはWRXか? ベンツAMGか!? それとも……? 2Lターボ世界選手権!!

■いよいよ本命、ポルシェ718ケイマン

 まず、これが2L水平対向ターボで、スバルと同じ土俵であることを考慮しなくてはならない。大してスペック的には突出していないけど、ハンドルを握った誰でもこれに乗ると、「オオッ、凄いじゃん!」って思うはず。

 このパフォーマンス感覚と演出、もしスバルがWRX STIをスポーツモデルのフラッグシップとするならこれくらいはやってほしいと思う。

 土台がピュアスポーツカーだから、今回のようなステージではいいんだけど、水平対向4気筒の2Lターボという古典的なエンジンをここまでレーシーに仕立て上げているというのは日本のメーカーにも見習って欲しいところ。

 採点はクルマ単体92点、エンジンは91点。

全長4379×全幅1801×全高1295㎜、最高出力300ps/最大トルク38.7kgm、6速MT、JC08モード燃費(公表せず)
全長4379×全幅1801×全高1295㎜、最高出力300ps/最大トルク38.7kgm、6速MT、JC08モード燃費(公表せず)

■そして日本代表、スバルWRX STI

 全体的に、水道の蛇口みたいな感じでジャーってひねるとジャーって出て、ちょっとひねるとちょっと出るといったリニアリティが感じられない。

 ラグがある感じというか。蛇口を開けた時のラグもあるけど、締めた時のラグがあるのが気になる。

 つまりWRX STIは操舵にしてもアクセルワークにしてもオーバーシュートして戻ってくる。少し足りなくてもうちょっと踏まなければいけないという細かい繰り返しが続く感じ。

 リニアリティというインプレ用語で言えば、非常に微妙でデリケートな部分で齟齬があると思う。ダイレクト感が足りていない。

 採点はクルマ単体89点、エンジンが88点。世界に伍すなら340㎰は欲しいところ。

(編集部註/ただし下記のとおりWRX STIは本企画登場車種中ぶっちぎりの最安値車であり、ボルボの約半額。そう考えると大健闘だと思います……)

全長4595×全幅1795×全高1475㎜、最高出力308ps/最大トルク43.0kgm、6速MT、JC08モード燃費9.4km/L
全長4595×全幅1795×全高1475㎜、最高出力308ps/最大トルク43.0kgm、6速MT、JC08モード燃費9.4km/L

■最後につい先日新型が登場したホンダ シビックタイプR

 シビックタイプRはまだホンダの栃木研究所内でチョイ乗りしたくらいだけど、現状で日本最強の2Lターボは間違いなくこれ。

 先代型からエンジンパワーは10㎰アップしたくらいで最大トルクは一緒だけど、本格派の度合いが高まった感じ。

 以前は市販車っぽかったのが、今度の新型タイプRのエンジンはホントに真剣に作ったコンペティションエンジンのような凄みを醸し出していた。

 その凄みを感じたのはなぜかといえば、新型タイプRはドラマチックに盛り上がるエンジンじゃなく、どの領域でも速いエンジンだったから。

 ビジネスライクなセットアップのエンジンが勝つのがレースの世界だけど、そんなワークス感がエンジンからもシャシーからも感じられた。

 同じ場に持ってきていればかなり高い評価ができたはず。ベンツA45 AMGに近い存在だと思う。(本格的に試乗していないので、点数付けはナシ)

全長4540×全幅1840×全高1430㎜、最高出力320ps/最大トルク40.8kgm、6速MT、JC08モード燃費12.8km/L
全長4540×全幅1840×全高1430㎜、最高出力320ps/最大トルク40.8kgm、6速MT、JC08モード燃費12.8km/L

■このほかの2Lターボ

 VWゴルフRは公道を走るとものすごくバランスがよかった印象。ただし、個人的に公道がいいクルマはサーキットだとあまりいい結果が出ない傾向があるからどうかな。

 ルノーメガーヌR.S.はサーキット特化車だったという印象がある。エンジンも上まで回せばスゴいんだけど、そこまではモワーンという感じのパワーフィールだし、街中ではちょっとストレスも。

 WRX STI 、ポルシェケイマン、ボルボS60、ベンツA45 AMG
WRX STI 、ポルシェケイマン、ボルボS60、ベンツA45 AMG

 そんなわけで、本企画での結論:1位ボルボS60ポールスター、2位メルセデスベンツA45 AMG、3位ホンダシビックタイプR、4位ポルシェケイマン、5位スバルWRX STI、6位VWゴルフR、7位ルノーメガーヌR.S.

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