いま実用性を兼ね備えたスポーツカテゴリー部門で最も熱いのが2Lターボ、それもハッチバック。日本代表だとスバルWRXやシビックタイプR、ベンツA45AMGにポルシェ718ケイマンと実力派がズラリと並ぶ。
それなら気になるのが、「カテゴリーで一番いい車はどれよ?」という話。
価格を考慮に入れるとどうしても国産車に甘くなってしまうので、あえてここでは「走りだけで決めてください!」とお願いして決定していただきました!!(順位は本文末尾にありますので、順位だけ知りたい方はスクロールを!!)
文:鈴木直也 写真:池之平昌信
初出:ベストカー2017年8月10日号
■いきなり評価! まずはベンツA45AMG
まずアクセルを踏んだ瞬間、「パン!!」と響くエンジン音がいい。大してアクセルを踏んでいない時でも、スポーツエンジンを載せたクルマに乗っているという気にさせる。典型的なレーシングターボエンジンそのもの。
今のダウンサイズターボだと下があって上はカットというトルクカーブだけど、これは素直にタービンが吐き出すエネルギーをトルクに変換したっていう古典的な過給スポーツエンジンの味がある。
今のダウンサイズターボは作り込み過ぎている嫌いがあるから、サーキットで速くても人工的で今ひとつな部分も。が、このエンジンにはそれがなく、猛獣を自分が御しているという満足感がある。
採点はクルマ単体で87点、エンジンは94点。
■続いて伏兵、ボルボS60ポールスター
こちらは先ほどのベンツとは対照的に、最新のテクノロジーを使ってスポーツターボに仕立てている。
過給はターボとスーパーチャージャーの2段過給で、ハイブーストにタービン設定するとどうしても下のトルクがなくなるところをスーパーチャージャーでカバーして、低速からリニアにものすごく大きなトルクを供給している。
人工の極致ともいうべき凄みがあり、ターボとは思えない、まるでスーパーチャージャーでそのまま過給しているかのようなストレートなトルク感は他車にはない。
サーキットやワインディングで走った場合、エンジン単体ではピークパワーが上となるA45AMGでもポールスターには敵わないかと。2Lターボの最強エンジンだと思う。
採点はクルマ単体97点、エンジンは99点。かなりボクの理想に近いエンジンです。新世代ターボはこのエンジンがベンチマークになると思う。
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