■現行型クラウンの変遷
現行クラウンの足跡をザっとたどると以下のとおり。
2018年6月 フルモデルチェンジ
2019年7月 特別仕様車「S”Elegance Style”」、「S Four”Elegance Style”」発売
2019年10月 特別仕様車「S”Sport Style”」、「S Four”Sport Style”」発売
2020年4月 一部改良およびクラウン65周年記念の特別仕様車「RS/RS Four”Limited」、「S/S Four”Elegance Style II”」、「S/S Four”Sport Style”」発売
2020年11月 一部改良
2021年6月30日 今回の特別仕様車発売
現行モデルが発売してから約1年間隔で特別仕様車を発売しており、これを見ると「今回の特別仕様車発売は既定路線」といえそう。それでも「なぜクラウンは毎年特別仕様車を出すのか」という新たな疑問が浮かぶ。
これらの疑問について、販売に詳しい自動車ジャーナリストの渡辺陽一郎氏に伺ってみると、以下のようなコメントを寄せていただいた。
「メーカーが特別仕様車を発売する理由はただひとつ。【もっと売れてほしいから】。これ以外にない。細かく見れば、【売れ行きが下がってきたためテコ入れに】というパターンや、
【強力なライバルが発売されたのでその対抗として】パターンや、【周年など特別な記念に顧客へアピールすれば売れるかもしれないから】パターンなどがあるが、どれも原則として、売るため。そのためにお金をかけて販売資料を作成し、お金をかけてわざわざ特別仕様を用意する。
現行型クラウンについていえば、デビュー時からこれまでのクラウンよりも【若さ】をイメージしてきた。ざっくりいえば、クラウンの既存のオーナーは(クラウンとともに)年老いてしまい、このままでは買い替え需要が先細りになってゆく。そこで現行型の15代目クラウンはスポーティさを前面に出して、若返りを図った。
それでも歴代クラウンに比べれば販売上苦戦が続いています。
それを挽回するため、「若さ」をアピールするスポーティな仕様と、「上級感」をアピールするエレガンス仕様の特別仕様車を用意したということでしょう」
■日本人好みに味付けされた唯一無二の高級セダン
今回の特別仕様車を改めて見ても思うが、(先ごろ新型が発表された)メルセデスベンツCクラスと比べても、Eクラスと並べても、またBMWの3シリーズや5シリーズと比較しても、クラウンは決して見劣りしない。
すくなくとも日本の道を走り、日本で使うぶんには最も豪華で最も使い勝手の高いクルマのひとつと言えるだろう。
それでもクラウンの苦戦は続く。かつての栄光とも比べ続けられる。
せめて応援を続けたい。
次期クラウンの情報も引き続き調査を続けております。何か判明次第、お知らせいたします。がんばれクラウン。
【画像ギャラリー】クラウンの特別仕様車「RS“Limited II”」「S“Elegance Style III”」詳細画像はこちら!
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