両備グループの岡山県南・広島東部エリアで路線バスを運行する、両備バス、東備バス、岡山電気軌道、中国バス、井笠バスでは現在、公共交通の利用促進を目的としたキャンペーンをWEB上で開催中だ。
文:古川智規(バスマガジン編集部)
【画像ギャラリー】両備グループが「がけっぷち!」キャンペーン2021ページを公開!(8枚)画像ギャラリー「がけっぷち!」キャンペーンとは!?
11月28日に岡山市で開催された路線バス・路面電車の運賃無料DAYに合わせた「がけっぷち!」キャンペーンページを公開中だ。
今後は岡山県南・広島東部エリアで様々な施策を展開する予定。2021年の企画では、スタンプラリー、路面電車運転体験、バスの迷路で宝探しなどのイベントを予定している。
同社によると、これらの取り組みは継続を前提としており、2022年はさらに振り切った取り組みも予定しているとのこと。
12月10日は「公共交通の日-運賃無料DAY」で、一部でも岡山市内を通過する路線バスと路面電車は全て無料。対象者は岡山市民に限定せず、また両備バス・岡電バスにかかわらず岡山市内を走行する全てのバスが対象だ。
バス事業者を取り巻く諸問題は多い
バス事業者はコロナの影響はもちろんだが、そもそも旅客数の減少と運転士不足に悩まされている。かといって長いデフレ下では運賃の値上げもしにくい経済環境で地域の足を守るために四苦八苦状態なのは確かだ。
地域社会に対して苦境を訴える事業者は民間に限らず公営バスも同様で、さまざまな施策でバス利用機会を増やしてもらう試みは行っている。
しかし結局は廃止路線はうまくいけば自治体運営のコミュニティバスに転換できるが、廃止されないまでも便数減少や車両の小型化等で利用者の利便性にまで手を付けざるを得ない状況に突入している。
前述の岡山市内の路面電車・バス無料デーは岡山市の施策で自治体が事業者を支援する形だ。岡山市の狙いは市民に限らず岡山に現にいる人の足を1日無料にすることで積極的に出かけてもらい消費してもらうことだ。
両備グループのように「がけっぷち」と窮状をストレートに伝える事業者は少ないものの、自治体や地域社会との連携や協業でバス利用者を増やし運賃収入を上げ、ひいては運転士の待遇向上を図らないと運転する人も乗る人もいなくなってしまい、バス事業の存続が危うくなる。
無料だからというわけではないが、「お試し無料」ととらえてバスに乗りお買い物や外食やレジャーで楽しんでみてはいかがだろうか。
バス専門雑誌であるバスマガジン記者としては、単なる移動の足としてだけではなく「乗りバス」も案外楽しいものだと少しでも感じていただければ幸いである。
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