今回の乗りバス取材は都営バスと京王バスとの共同運行便である「CH01」系統都庁循環線だ。新宿駅西口から都庁を回って新宿駅西口に戻る循環路線なので、厳密には新宿駅西口発、新宿駅西口行きである。他の共同運行路線とは若干異なる制度も見てみよう。
文:古川智規(バスマガジン編集部)
写真;小野寺利右
路線はとても短く簡単!
この路線は非常に短く、本当に都庁を回って戻るだけだ。新宿駅西口は地上の3レーンあるバスターミナルではなく、イベントスペースのある地下ロータリー前から出るこの路線のみの専用バス停だ。このロータリーから都庁へ抜けるトンネルにつながっており出発したCH01は当然だが都庁前に出る。
都庁第一本庁舎、都庁第二本庁舎と停車すると駐車場の中に入り、都議会議事堂に停車する。そのままトンネルに入りまた新宿駅西口に戻るルートだ。
このように非常に短い路線なので、運賃は190円と安く抑えられておりICだと189円だ。また交通局が発行する1日乗車券は京王バスで使用可能なのも珍しい。これはバス停に明示してあり、例えば東京都交通局発行の都営まるごときっぷや、1日乗車券で京王バスの便に乗車可能だ。
ただし、IC乗車券に発行されたものを利用する場合には運賃箱の設定が必要なのでタッチ前に乗務員に申告する必要がある。
都営バスは小滝橋営業所担当で、京王バスは永福町営業所が担当する。単調な路線に見えるが、都庁と新宿駅を結ぶのでバスの見本市とは言わないが、バスファンには目を引く車両が運用に入ることもある。
記者が乗車した時には京王バスの復刻カラーカッピング車が入っており、写真を撮るファンの姿もちらほら。この復刻カラーは1970-80年代に使用された高速バスカラーだ。また都営バスでは小滝橋営業所所属のスカニア・ボルグレンのフルフラットバスが入ることもあり、こちらも目を引きそうだ。
平日なら職員食堂も利用可な都庁庁舎
通常の行政手続きは市区町村役場で済むので、都庁へ行く目的は旅券申請くらいしかないように思えるが、例えば平日であれば高層階にある職員食堂が誰でも利用できる。また観光PRコーナーでは各地の名産品やパンフレットが手に入るし、都庁展望室も見どころの一つ。
都庁展望室は執筆日現在、北展望室はワクチン接種会場になっているので利用できないが、南展望室から眺めることはできる。エレベーターの運用がコロナ前とは変わっているが、1階で消毒と検温、手荷物検査を受けた後にエレベーターで直行する。
戻りも1階まで直通し退出する。エレベーターの乗車人数が制限されているので待ち時間はあるものの、依然として人気のスポットだ。
新宿から直行で第一本庁舎、第二本庁舎どちらのバス停からもエレベーターのりばにはアクセスできるので、ちょっとしたお散歩代わりに都庁散策はいかがだろうか。
※記事本文中、使用できる1日乗車券は片方向であり双方向ではありませんでしたので内容を訂正してお詫びいたします。
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