首都圏で路線バスや観光バス ・ハイヤー を運行する国際興業は、 国際興業大阪・ 山梨交通・十和田観光電鉄・秋北バ ス・岩手県交通と連携し、企業等の職域ワクチン接種を応援するため、各社が保有する観光バスや路線バス、タクシー、ハイヤーなどを活用し連携して協力することに合意した。
文:古川智規(バスマガジン編集部)
【画像ギャラリー】国際興業が始める「職域ワクチン接種応援バス」とは?
企業のワクチン接種 計画における輸送ニーズへの対応で連携協力
6社の主たる事業エリアは東京、埼玉、大阪、兵庫、山梨、静岡、青森、秋田、岩手、宮城等広範囲に及ぶ。
これらエリア内に本社や事業所、工場等を設置する企業において、産業医や看護師またはワクチンを接種する社員とその家族を送迎するためにバスや大型ワゴンタクシーなどを利用したいニーズがあると同社はみており、都府県をまたぐ広域利用での連携体制をとることにした。
企業からの窓口を一本化し相談をしやすくするほか、 車両は除菌や換気等の感染対策を徹底する。その企業からの問い合わせを一手に引き受けるのは国際興業グルー プ営業部(東京都)。幅広いニ ーズに関する相談にワンストップで対応する。
6社は保有するバスやタクシー車両について、 抗菌・抗ウ イ ルス加工の施工や換気装置の装備、アルコール除菌等の感染防対策を徹底して行っている。これら各社は低迷する観光需要を早期に回復させるためにも、国内のワクチン接種率向上に貢献したい考えだ。
「職域ワクチン接種応援バス」の提供サービスとは
「応援バス」で利用できるサービスは、もちろんシャトルバスとしての利用だ。最寄り駅と接種会場を結ぶ往復輸送、事業所と接種会場を結ぶ巡回輸送、社員や家族、産業医や看護師またはスタッフの送迎が想定される。これには観光・路線バス、ジャンボハイヤーやタクシー等の6社が保有する車両を規模や要望に応じて対応可能。
次に想定されるのが中長距離の社員輸送だ。例えば山梨県内の事業所を巡回し、社員や家族を東京にある本社の接種会場へ輸送したり、青森・秋田・岩手県内の事業所にそれぞれバスを手配したうえで仙台本社へ輸送したりと柔軟な対応が可能だ。この想定では観光バスや高速バス車両等で対応する。
また産業医・看護師やスタッフの巡回送迎として複数の接種会場間を巡回する送迎や、指定場所から接種会場への医師や看護師の送迎にも対応可能。規模に応じ大型バスからタクシーまで配車可能だ。
そして大型バスらしい活用方法としては接種会場や待機室としての提供だ。医師との協議によりバスそのものを接種会場にしたり、接種前後の待機場所として提供したりと大型車ならではの活用が想定される。
テントを張ったりイスを並べたりする必要がないので駐車スペースさえあれば完結できる便利な方法だ。
さらに一連の案内スタッフとしてバスガイド等を派遣することも可能で、バス輸送等に際して乗車の誘導案内スタッフとして6社の観光バスガイドやスタッフを派遣し円滑なワクチン接種をサポートするという。
国際興業をはじめとしたこれら6社ではバスやタクシー事業者として、持てるノウハウや車両、そして不特定多数の旅客を案内するプロとしてのバスガイドをも含めたすべてのリソースを投入できる体制を整えた。
接種率の向上に寄与し最終的には経済の早期回復、そして新型コロナウイルスの影響により大打撃を受けているインフラとしてのバス事業復興に願いをつなぎたい考えのようだ。
コメント
コメントの使い方