ICカード乗車券は、今や鉄道でもバスでもコンビニでも自販機でも使えるなくてはならないアイテムになりつつある。ところが地方の小規模バス事業者にとっては導入のハードルは高い。しかしJR西日本が開発を進めている簡易型IC端末が、そのハードルを下げるかもしれない。
文:三条桐葭
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
小規模バス事業者にはハードルが高い
西日本旅客鉄道とJR西日本テクシアは、「ICOCA」の利用可能エリアを拡大していくことを目的に 、2021年春よりバス・地域鉄道向けICOCAシステムの展開を進め、現在7社のバス及び鉄道事業者に導入されている。
このバス・地域鉄道向けICOCAシステムのさらなる拡大のため、同社ではコスト等の面で導入が難しかった小規模な交通機関向けに、現行のIC車載機から必要な機能に特化した簡易型IC端末の開発を進めているようだ。
本端末の導入で、より多くの交通機関においてICサービスの実現を容易にし、利便性向上に引き続き貢献したい考えだ。
バスでIC乗車券を導入しようとすれば、運賃箱を全車両について総入れ替えしなければならず、小規模バス事業者にはハードルが高いばかりか、導入しなければサービス低下とみなされるなど、不利な状況にもなりかねない。
機能は限定されるが距離制運賃にも対応
今回開発した携帯型端末では定期券には対応していないようだが、均一運賃はもちろんのこと、他区間運賃の精算についても手入力で対応できるほか、任意額の精算、乗継割引やチャージにも対応している。
同社では、今後は定期券のネット購入を含めた利便性の高いサービスの実現に向けて開発を進めるとしている。コミュニティバスやデマンドサービスのタクシーや狭い地域のバスにも、低コストで導入ができるので、都市部から地方へ行った際にいつも使用しているICカードで乗車できるようになるかもしれない。
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