UDトラックスが2015年より開催してきた「UDエクストラマイルチャレンジ」は国内・海外のUDユーザーのドライバー中から世界一を選出する大会。いわば全日本トラック協会が主催するドラコン(全国トラックドライバーコンテスト)のUD版、あるいは国際版ともいえる存在だ。
そんなエクストラマイルチャレンジは、コロナウイルスの蔓延などを受け2018年大会以降はバーチャル開催が1度行なわれたのみだったが、10月19日〜21日にかけ4年ぶりにUD本社工場にあるテストコース(UDエクスペリエンスセンター)でリアル開催された。
文・写真/フルロード編集部
【画像ギャラリー】UDエクストラマイルチャレンジ2022をギャラリーでチェック!(10枚)画像ギャラリー2022年大会のあらまし
今回は過去最大の11カ国のユーザーが参加する大会となり、日本以外の各国では予選が行なわれ、選抜された生え抜きのドライバーがUDトラックスの上尾本社工場のエクスペリエンスセンターに集結。19日にはクオンクラス、21日には海外専用モデル(新興国向け)のクエスタークラスの競技を行なった。
クオンクラスには日本、シンガポール、南アフリカのドライバー3名がエントリー。クエスターの販売地域からは、エクアドル、インドネシア、マレーシア、フィリピン、カタール、タイ、ベトナム、ジンバブエの8カ国のドライバーがエントリーした。
競技車はUDアクディブステアリングを搭載した新型クオントラクタと、クエスターのトラクタで、ウエイトを積んだトレーラを連結した車両が用いられた。
なおシンガポール、南アフリカではUDアクディブステアリング搭載車は未発売。余談だが両国ドライバーが今回大会で初めて乗った最新型クオンはかなり好評だったようだ。
ちなみにこの大会は、各国ユーザーのレセプションも兼ねており、工場見学やUDの取り組みをユーザーに知ってもらう催しも行なわれた。競技にはもちろん真面目に取り組むが、UDが日頃の感謝を込めて主催するいわばお祭り的要素もあるのだ。
エクストラマイルチャレンジのルール
エクストラマイルチャレンジが面白いのは、ドライバーの技量だけではなく実際に日々ドライバーが直面している課題を想定しているところだ。
まず持ち点として選手には売上5000ドルが与えられた状態からスタート。内容は始業点検競技と運転競技があり、各競技の結果から売上が減算され、最終的に最も高い収益を上げた選手が「究極のドライバー(=優勝)」の称号を与えられる。
点検競技は10分間の持ち時間以内に24個の項目を全てチェックし、用意された9個の不具合を発見するといった内容だ。
運転競技はエクスペリエンスセンターとテストコースを使って行なわれ、持ち時間15分以内にコースを4周し最後は車庫入を行なう。
競技時間はUDが出した平均値11分30秒を起点にポイントの加算・減算が行なわれるが、テレマティクスで燃費が計測される上、荷台に置かれた水の入ったボウルから溢れた水量も計測されるので単純に早ければいいというわけではない。
このほか速度制限・一時停止などの道路標識も設置され、普段の業務と同じように「交通法規」「時間」「燃費」「積荷」への配慮も求められる競技なのである。