十勝バスがデジタルサイネージを使ったスマートバス停を積極的に採用している。というのも豪雪地帯のため運休となった際に、そもそもバス停に案内を貼りに行くことすらできないという、ならではの理由が!! スマートバス停登場でユーザー満足度が上がる可能性大なのだ。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
■北国ならではの事情もありまして……
帯広市では年に数回、1日に20~30cm以上も雪が積もる日があり、バスの大幅な遅延や航空機の欠航に伴う空港連絡バスの運休が発生する。
しかし大雪による交通規制により、バス事業者がバス停まで運行状況の案内を張りに行くことができず、最新の案内ができないという課題があった。
また航空便のダイヤ改正に伴う空港連絡バスの時刻表の張り替え作業は、極寒の深夜に行うこともあり、バス事業者の負担になっていた。
今回はこれらの課題を解決すべく、遠隔操作での時刻表の書き換え、また随時バスの運行状況を表示できる「スマートバス停」を設置した。
スマートバス停設置により、大雪の日でもバスの大幅遅延や運休情報のお知らせが可能になった。極寒の深夜での時刻表張り替え作業をなくし、バス事業者の負担が軽減され、帯広の玄関口である空港線のバス停からバスの接近情報や観光情報を発信し誘客を促進するという効果が期待できる。
■スマートバス停設置における工夫とは
同社では厳しい寒さの北海道では、電子機器の屋外設置による課題や、電子ペーパーは寒さに弱いという特性をもつため正常に動作しないのではないかという懸念があった。
2022年12月下旬より約1カ月間の導入検証を行い、情報更新のタイミングや画面表示方法を工夫することで、スマートバス停が正常に稼働することを確認した。北海道の厳しい寒さにも対応する電子ペーパータイプの「スマートバス停」を実現し、とかち帯広空港線に14基の導入が実現した。
情報更新のタイミングや画面表示方法の工夫として、低温の場合は更新動作が停止する可能性があるため、朝から夕方の日中に更新するように設定し、比較的低い気温にも対応する白・黒の2色で画面を表示することにより、極寒時でも確実にダイヤ更新ができるようにした。