みなさんは、クルマ酔いをしたことはありませんか? ドライバーは酔うことはないと思いますが、助手席や後席に乗る奥さんやお子さんが一度や二度はクルマ酔いをしたことはあるのではないでしょうか?
そんなクルマ酔いをする方に朗報です。フランスの自動車メーカー、シトロエンが製造、販売しているクルマ酔いを解消する眼鏡があるんです。
その名もシートロエン(SeeTROEN)。はたしてどんな眼鏡なのでしょうか?
文/ベストカー編集部
写真/シトロエン
初出/ベストカー2019年3月26日号
■まるでパロディのような品名だが実力は本物
写真の女の子、これが黒縁メガネなら昔懐かしのガリ勉メガネを思い出すが、白色。これはシトロエンが製造・販売する、クルマ酔いの症状を解消するメガネ「シートロエン(SeeTROEN)」だ。
社名を少しいじって商品名にしたところがややこしいが、2014年に誕生し、すでに世界中で1万5000本も販売されたヒット商品。欧州では慢性的に3000万人が乗り物酔いに悩んでいるそうで、その対応策にひと役買っているアイテムなのだ。
構造を見てみよう。一般的なメガネと違い、4つのリングが付いており、それぞれの太い縁部分のなかに青い液体が入っている。
これがミソだ。クルマなど乗り物に乗っている時、「なんか具合悪い、乗り物酔いしたかな」と症状が現われた時、シートロエンを着用して、本やスマホ、タブレットなどを動かさずに10分間ほど見つめるだけで、クルマ酔いが解消されるとのこと。
なかの液体によって水平線(地平線)が示され、人工的に作り出された水平線を脳が視覚などから取り入れ、乗り物酔いの原因となる「脳と耳の内耳部分」の感覚のズレが修正される、という仕組み。これで乗り物酔いも収まっていくわけだ。
もともとはフランスのボーディングリング社が開発した、船員向けに開発された技術で、それをシトロエンがクルマなどいろんな交通手段でも利用できるようにアレンジしたそうだ。
素材は白のソフトタッチのプラスチック製で、パリのデザインスタジオ「5.5」が設計を担当したという。
どうりで、フランスの風を感じるオシャレなデザイン……。ご覧のようにリングは全部で4つ。それぞれの太い縁の中に青い液体が入っており、現状の頭の状態が水平かどうかが瞬時にわかる。
メガネのような正面の2つが左右、横の2つは前後、それぞれの水平具合が視覚などを通じて脳へ送られ、脳はそれを調整。バランス感覚を感じとる内耳部分と脳の同期が完了し、乗り物酔いが解消される、という仕組み。
■シートロエンの価格は99ユーロ、約1万2900円~‼
シートロエンを使えるのは10歳以上(内耳の成長などを考慮して)で、レンズがないのでメガネの上からも装着できる。メガネ顔の担当としては、これは嬉しい。気になる価格は99ユーロ(約1万2900円)。
シトロエンジャポンによると「日本でも販売する方向で進めていますが、いつ販売できるかという具体的部分はお答えできかねる状況です」とのこと。う〜ん、残念。
が、しかし、通販サイトは日本でも見ることができ、「シートロエン通販サイト」でネット検索すれば、日本語の商品紹介のHPがあり、そのなかに「通販サイト」がある。このアイテムを試してみたい方はぜひとも。ただし、すべてフランス語ですが……。
最後に乗り物酔いに関するQ&Aをお伝えしよう。
Q: なぜ乗り物酔いは起こるの?
A:人体には自動的に姿勢を保つ調整機能があり、これを平衡(へいこう)機能といいます。乗り物に乗り、前後・左右・上下の変化、発進・停止の反復などの「刺激」を耳の内耳が受けると、その情報を脳へ送ります。そして長時間乗車で慣れない刺激が繰り返されると情報過多になり、脳が混乱し、自律神経に異常な信号を送ってしまいます。やがて、顔面蒼白になるなどの症状となります。
Q: 乗り物酔いになりやすい世代は?
A:幼児や高齢者は酔いにくく7〜12歳頃の小学生が多い。男子より女子が多い傾向です。
Q: 乗り物酔いを防ぐための対策は?
A:小学生から10代については、日頃からブランコ、シーソー、自転車などに乗り、体の前後、左右などあらゆる方向への動きに体を慣れさせるのが効果的。家のふとんの上で前転など、体を回転させることもいいです。
Q: 乗り物酔いしたらどうすればいい?
A:窓を開け、換気をする。遠くの景色を見たり、ゲームなど気を紛らわすのもいいです。
(社)日本耳鼻咽喉科学会のHPより抜粋
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