専門商社のマクニカがフランスの老舗企業・ゴーサンと合弁で自動運転ゼロエミッション商用車の開発を目的とする新会社を設立した。マクニカは日本国内にナビヤ社製の自動運転バスを導入しているが、今後、同社の資産は新会社が引き継ぎ、自動運転商用車の社会実装を加速する。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/マクニカ・GAUSSIN SA・NAVYA SAS
自動運転・ゼロエミッション商用車で合弁設立
半導体などの専門商社でAI・自動運転などの事業も手掛けるマクニカは、2023年4月20日、フランスのゴーサン(GAUSSIN)社と合弁でゼロ・エミッション自律型モビリティ開発を目的とする新会社を設立したことを発表した。
新会社はフランスのナビヤ(NAVYA)社の資産を引き継ぎ、レベル4自動運転の社会実装を加速する。
2014年創立の新興企業であるナビヤは、レベル3自動運転(条件付き自動運転)シャトルバスの「アルマ(Arma)」、同レベル4(極限環境を除き操作の全てをシステムが行なう高度自動運転)の「エヴォ(Evo)」、自動運転トーイングトラクタの「AT135」などの商用車を世界各国で展開している。
ナビヤ車は日本国内ではマクニカが取り扱っており、鳥取砂丘周辺で運行を行なったアルマは、自動運転バスとしては初めて事業用ナンバー(緑ナンバー)を取得して商用運行を行なっている。
いっぽうゴーサンは1880年創業の老舗企業で、当初は金属部品の製造を行なっていたが、1980~1990年代にトレーラ・マテハン機器の製造を始め輸送用機械に参入。2000年代以降は企業買収などを経て燃料電池システムや自動運転分野でも知られるようになった。
特に2022年には100%水素燃料の「H2レーシングトラック」でダカールラリー完走を果たしたほか、世界初の水素燃料電池+自動運転のAGV(無人搬送車)を発表している。
半導体などの技術商社から、AI(人工知能)・自動運転などの新事業を展開しているマクニカと、商用車分野で革新的な製品を開発して来たゴーサンが、自動運転システムのナビヤの事業を引き継ぐことで、レベル4自動運転の社会実装を加速し、社会課題の解決に貢献することを目指す。