■スポーツカーの分野で新しい動き
ほかにもトヨタは、このところスポーツカーの分野でかつてない新しい動きを見せている。
2015年の東京モーターショーで初披露され、翌年初の東京オートサロンではカスタマイズモデルまで披露されたS-FRも続報がなかなか聞こえてこず、開発は中断されたと聞く。
一方でトヨタは、GRカンパニーのような組織を起こして既存モデルのコンバージョン車にこれまでにも増して力を注ぐなど、やはりスポーティモデルに対して新しい動きをはじめているのは明らか。
また、2018年の東京オートサロンで披露した、LFAをもはるかにしのぐ弩級の「GRスーパースポーツコンセプト」のほうは、プロジェクトが進められている。
市販予想時期は2021年頃。100〜200台前後の限定車として登場し、市販価格は1億円オーバーと予想されている。
自らの実力の高さを世に知らしめるには、そうしたスーパースポーツのほうがてっとりばやく、インパクトも大きいことには違いない。
とはいえ、僕ら一般ユーザーが期待しているのは、もっと身近なスポーツカーだ。
フルモデルチェンジの情報がなかなか出てこない86&BRZの後継モデルや、BMWとの協業で得たものを活かしたスープラに次ぐ上級スポーツカーを、次はぜひトヨタ単独で作り上げてほしい。そのほうがトヨタのイメージは一気に上向くような気がする。
■トヨタは新規エンジンをなぜ開発しないのか?
マツダが直6エンジンを開発中と発表し、日産は可変圧縮比のVCターボを発表するなか、トヨタは新型エンジンをなぜ開発しないのだろうか?
トヨタのスポーツエンジンといえば、直6。70スープラや20系ソアラに搭載されていた、2.5L、直6ツインターボの1JZ-GTE、そして80スープラやアリストに積まれた3L、直6ツインターボの2JZ-GTEが思い浮かぶ。特に2JZ-GTEは、世界最強のトヨタエンジンとしていまだに人気が高い。
特に往年のトヨタファンからは、新型スープラに、2JZ-GTE(280ps/46.0kgm)の後継エンジンを載せてほしかったという声が大きく、新型スープラに2JZ-GTEを積むキットを販売するアメリカのショップも現われた。
トヨタの場合はやはりハイブリッドがらみでことが進められていくだろうから、新しい純ガソリンエンジンの直6は作れないのではなく、作らないのだ。
かつては直6でならしたトヨタなら、往年に名機の数々に携わったヤマハの力も借りつつ、エコでかつドライバビリティに優れた素晴らしいユニットを世に送り出してくれることに期待したい。
とはいえ、直6の代名詞であるBMWとのディープなコラボを経験した今のトヨタなら、直6の復活に対しても前向きな心境になっているかもしれない。
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