■迂回路のために羽田可動橋を撤去
羽田トンネルは、10年以上前から漏水による老朽化が問題になっていた。「構造部材である中床版の鉄筋が塩害により全面的に損傷」「鉄筋消失やコンクリート剥離等が急速に進展」との調査報告で、抜本的な補修方法が検討されていた。
この羽田トンネルに並行する形で、1990年に「羽田可動橋」が建設されている。空港入口から入ったクルマをトンネルの手前で合流させず、橋で川を渡った後に合流することで、渋滞を緩和することが目的だった。
海老取川は大型船が航行するため、旋回可能な可動橋という形式になったが、個人的には一度も通行したことがないまま(無念)、湾岸線の開通(1994年)による渋滞の緩和によって98年に利用が廃止され、以後、旋回したままの“トマソン物件状態”が続いていた。
今回の発表では、その可動橋を撤去(既存の杭は再利用)して、新たに片側3車線の橋(上り線用)を建設する方針が明らかになった。60年前に問題になった航空機の離発着は、空港の沖合移転によって解消しており、大型船が出入りもなくなったため、今回は通常の橋を架けることができる。
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