クルマ界の日本に関係したギネス世界記録を一挙紹介! いったいどんなギネス世界記録があるのだろうか!?
今回はPART2を展開!
ギネス世界記録とは?
■必要条件
ギネス世界記録として認められるために必要な前提条件は4つ。測定できること、証明できること、標準化できること、そして、更新できること。記録に挑戦する場合は、まず上記4つに該当することが求められる。また、記録により、異なるルールがあり、挑戦内容を申請、受理された場合には細かなルールなどが記載されたガイドラインが送られてくる。
■申請から受理されるまでの期間
世界中から毎年約4万件の申請があるため、申請から返答までの期間は約3カ月かかる。
■費用
ギネス世界記録は、だれもが世界一になれる可能性を秘めている、という理念から『ギネス世界記録』への挑戦は申請から(記録となった暁には)認定まで、無償で行っている。希望により、申請回答を早める時短サービスや認定員派遣サービスなど有料のサービスもあるが、記録は当然ながら公正に審査されるので、有料サービスを利用したからといって、記録認定が保障されるものではない。
世界を驚愕させた、日本にまつわるギネス世界記録
若手技術者たちの〝夢〟が 生み出した世界最速マシン
2011年9月9日に、茨城県にある日本自動車研究所の城里テストセンターで行われた、豊田自動織機ドリームカープロジェクトで、圧縮空気駆動のクルマとして最速となる、129.2㎞/hを達成!
このチャレンジで使用されたのは、20〜30代の豊田自動織機の若手技術者らで構成された「夢の車工房」が開発した空気エンジン車で、「KU:RIN(クーリン)」というクルマで、排出ガスのない「クリーン」と、空気で走る車「空輪」を合わせたネーミングだそうだ。
この「クーリン」は、1人乗りで、全長3.5m、最大幅83㎝。くさび形をした三輪車だ。後部に5ℓの圧縮空気の入ったボンベ3本と、豊田自動織機が世界一のシェアを持つカーエアコン用コンプレッサー2基を搭載。コンプレッサーは機械エネルギーを使って気体を圧縮するのだが、それとは反対に圧縮空気を流し込めば、動力を発生させられるという原理を利用している。トランスミッションはなく、アクセルペダルによる圧縮空気の流量調節のみでスピードを調整する仕組みだ。
実際に走ると、空気の吐出音がかなり大きく、離れたところでも聞こえる爆音だ。
ドイツのライバルから勝ちとったギネス世界記録
2010年11月15日に、おかやま山陽高校の自動車科・自動車整備部の教職員と生徒によって製作された「MIRAI」。クルマの全高が45.2㎝と測定され、世界でもっとも車高が低いクルマに認定!
トヨタ「MIRAI」に先んじて、世界に名を刻んだ「MIRAI」が岡山県にあった。
ギネス世界記録に認定されるためには公道走行が可能であることが条件のため、シャシーなどは専用設計され、12Vの鉛バッテリー6基と、全国自動車教育研究会を通じて寄贈された電気自動車Q‐CARの動力ユニットを搭載している。
全高は低いが、公道を走るために前後9㎝以上のロードクリアランスを確保。保安部品一式も完全装備する。ただ、公道は走れるのだが、あまりにも車高が低いため、ほかのクルマから見えずに追突されるのでは!? という不安があるそうだ……。
暗闇に浮かび上がる、世界最大の〝自画像〟
2015年3月20日、日産(UK)は、イギリスのハンプシャーにあるラスハム空港の格納庫スタジオを暗くし、207.68㎡の〝暗闇で光る世界最大の絵画〟を描いた。この巨大な絵画は、キャンバスの上に蛍光塗料を塗るために、日産リーフのクルマのタイヤを使用して、英Popbangcolourのアーティスト、イアン・クック氏によって製作された。描画には5日間を要した。
この巨大な絵画に使用された塗料は、発明家のハミシュ・スコット氏が開発した、日中に太陽光を吸収することで、夜間に最長10時間発光する特殊な塗料で、オランダでは高速道路の塗装に採用されている。このリーフの〝セルフポートレート〟とも言えるこの絵だが、描画にかなりの時間がかかるうえ、使った塗料は60ℓ以上にもなった。
珍記録好きのイギリス人が叩き出した世界最速!
2011年7月3日に開催された、イギリスのクルマの祭典「グッドウッドフェスティバル」において、テリー・グラント氏(UK)が、1マイル(約1609.344m)を日産「ジューク」を使って片輪走行で2分55秒で走り抜けた。
このギネス世界記録を達成したテリー・グラント氏、本誌8月10号の「文京区音羽発 写真で見る衝撃」でも紹介しているのだが、この自分の記録を上回ることを目標に、今年6月に行われた「グッドウッドフェスティバル」に、今度は日産「ジュークニスモRS」を駆りやってきていたのだ。
期待どおり記録を更新する2分10秒というタイムを出したのだが、本誌がテリー氏本人に確認したところ、この記録はギネス世界記録には申請していないようだ。さらに、この2分10秒を出したあと、「計測みたら2分8秒が出ていたんだよ」と、驚きの事実をサラッと語ってくれた。どれだけ片輪走行が好きなのだろうか(笑)。
このタイムをギネス世界記録に申請しているのかまでは確認できなかったが、テリー氏はかなりご機嫌な様子だった。
ドライバーが認定されたけど、日本車が活躍したギネス世界記録
ドイツのドリフターが、トヨタ86で連続ドリフト走行を達成
ハラルド・ミューラー氏(ドイツ)が、2014年7月15日に、トルコのサーキットで144.126㎞という連続ドリフト走行を成功!
ミューラー氏がトヨタ「GT86」を使用して挑戦したこのギネス世界記録は、2回目の挑戦で、2時間25分をかけてドリフトでの最高飛距離記録の更新に成功したものなのだが、以前のBMW「M5」による最高記録84.13㎞を大きく上回る結果となった。
これほどの距離をドリフトし続けたら、さすがにタイヤが摩耗してしまうので、サーキット内にゲリラ豪雨でも降ったんじゃないかと思うくらい水を撒いた状態でのチャレンジだった。
カウンタック並みの動力性能で世界の度肝を抜く
2011年8月23日、イギリスのサンタ・ポッド・レースウェイで、ガソリンエンジンとモーターによるハイブリッドシステムを搭載するインフィニティ「M35h」をドライブした、ティム・ポラード(UK)によりハイブリッド車の1/4マイル(約402.336m)世界最速となる13秒9を達成!
インフィニティによると、この加速タイムは1982年式ランボルギーニ「カウンタックS」の13秒9に肩を並べるもので、2007年式ポルシェ「911カレラ」の13秒6にも迫るタイムだという。3.5ℓV6エンジンにモーターを組み合わせて、トータル出力364㎰を引き出すM35hは、メーカー公表値で0‐100㎞/h加速5.5秒というパフォーマンスと、欧州複合モード燃費14.3㎞/ℓを両立しているとのことだ。
ただし、現在のところ申請されていないが、ポルシェ「パナメーラSEハイブリッド」などもいるので、最速を守れるかはわからない。
モンスター86を駆り、世界を驚愕させる
ポーランドのワルシャワ近郊にあるビャラ・ポドラスカ空港で、2013年9月3日、ヤクブ・プリズィゴンスキー氏(ポーランド)が217.973㎞/hでの高速ドリフト走行を成功!
1068㎰のトヨタ「86」を駆り、256㎞/hまで加速したあと、最大49度の角度でドリフトに突入し、今回のギネス世界記録を成功させた。
ドライバーのヤクブ・プリズィゴンスキー氏は、2002年頃からモトクロスで活躍、世界クロスカントリーラリーや、ダカールラリーにも参戦していた人物で、2007年にチームOrlenと、2010年からはレッドブルとも契約。最近では、このギネス世界記録を達成した「86」をさらにモディファイして、ヘリとまるでダンスを踊るようなドリフトを披露して、世界を驚かせている。
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