暗くなるとヘッドライトが自動で点灯する「オートライト」機能。つけ忘れ、消し忘れの心配が少なく便利な機能だが、このオートライト機能の搭載が義務化されるという。
2020年4月以降に販売される新型車から適応される。高齢化が進む中、薄暮時に歩行者が事故に巻き込まれるのを防ぐのが狙いというが、義務化されなければならないほどライトをつけない人が多いのだろうか?
文:ベストカー編集部
スモールライトは点灯とはみなされない
無灯火のクルマにヒヤリとさせられる薄暮~夜間の時間帯。本人は大丈夫と思っていても、周囲のドライバーからすれば危険極まりない行為です。
JAFの調査によれば、日没時(薄暮時)にヘッドライトを点灯しているドライバーは、なんと22.8%という低水準だそう。驚く数字ですが、スモールライトでは、ヘッドライトを点灯させたとはみなされないこともその一因かもしれません。
ご存じのように、日没時から日の出の時刻までにはヘッドライトを点灯しなければならないと、道交法第52条で定められています。にもかかわらず、日没5分後の点灯は44.1%、10分後では72.7%と、日没後でも3割近くはまだ点灯していないという実態があるのです。
実は、日没から5分程度だと、晴天時は225lx程度(ちょっと暗いリビング程度)の明るさがあり、まだ大丈夫と感じてしまうことが原因として考えられられます。
しかし、この薄暮の時間には、その「まだ大丈夫」が大事故に繋がる可能性があります。JAFがまとめた交通事故の発生時間帯(2011~2013年)でみた場合、事故発生率のトップ2が、朝7~8時台と夕方17~18時台に集中しているのです。
2013年の事故死傷者数でみると、総数4373人に対して、65歳以上の高齢者が2303人と、52.7%もの割合を占めており、その大半が薄暮時に発生しているそうです。瞳孔が開きにくく、若年層に比べ暗いところで物が見えなくなる、目の機能の低下が原因といわれています。
ヘッドライトを点灯する理由は、自車の視界を確保するだけでなく、自車の存在を相手に知らせる役割もあります。暗がりで物が見えにくい高齢者には、ヘッドライトをつけないクルマは認識できない恐れがあるのです。
国交省の効果予測では、2017年製造の全車両にオートライト機能を装着した場合、事故死亡者数を10人減らせるだろうとしています(2013年総数に対して)。自動ブレーキに比べると効果は少ないですが、10人もの命を救える可能性があるとも考えられます。
国土交通省自動車局に確認したところ、義務化した場合、オートライトの点灯タイミングに関する規格を作ることも検討しているそうです。その場合、すでに装着が義務づけられている欧州の規格に合わせるのかも検討するそうです。欧州規格では、1000lx以下で点灯するので、晴天時でも日没15分前には点灯するようになるそうです。
道交法の規定はないけれど、被視認性の観点から、大雨時などにも積極的にヘッドライトを点灯したいものです。
米国で31車種中唯一の最高評価を獲得!
トヨタプリウスα
米国IIHS(道路安全保険協会)が発表した中型車31車種のヘッドライトの評価テストでプリウスv(日本名プリウスα)にオプション設定されているLEDライトとハイビームアシストを装着したモデルが唯一、最高評価と認定された。
日本車の技術、トヨタの技術、恐るべし!
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