日産とホンダの「統合」報道をいったん整理

日産とホンダの「統合」報道をいったん整理

 2024年12月18日早朝、「ホンダ・日産統合へ」という記事が出た。これを契機に各社いっせいに関連報道が続いている。現時点(18日AM10:30)での最新情報を整理してお届けしたい。

文:ベストカーWeb編集部

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■第一報は日経で、日経にしか書かれていない情報あり

 まず今回の報道の概要を以下、整理したい。

・第一報は日経新聞朝刊(Web公開は12.18AM2:00)
・NHKが(裏取りしたのか)AM4:32に報道
・報道各社がAM6:00~7:00にかけて「統合か」と追随
(※この時点で、初報の日経新聞にだけ「ホンダと日産は近く覚書(MOU)を結び、持ち株会社の統合比率など詳細を今後詰める。」という具体的な情報が入っている)

・AM7:00頃~テレビ朝日がランニング中のホンダ三部敏宏社長に直撃取材し「日産と経営統合すると報道があったが?」とマイクを向けたところ、「ご存じのように、協業も含めていま検討していて、上から下まで可能性としてはあると思う。」とコメント

・AM8:50頃、本田技研工業および日産自動車の両社から「各社の強みを持ち合い、将来的な協業について報道の内容を含め様々な検討を行っていますが、 現時点で決定した事実はありません。更新情報があれば、適切な時期に、ステークホルダーの皆様にお知らせします。」という正式発表が報じられる

日産自動車の発表コメント
日産自動車の発表コメント

・現在(AM10:30)に至る

【ベストカー編集局長の解説と見解】

 日産とホンダは今年(2024年)3月に電撃的な会見を開いて「協業へ向けた検討を開始する」と発表、8月に進捗について二度目の会見を開き「包括的な協議をしつつ、ワーキンググループを作ってさまざまな分野で(協業することで)一緒にやったほうが成果が上がることが分かった」とし、車載ソフトウェアの規格統一やバッテリーの調達、ICE(内燃機関車)からHEV、PHEVまで含む技術や車種の相互提供まで、踏み込んだ協議が進んでいることが明らかになった。

 加えてこの二度目の会見で三菱自動車もこの座組みに加わることが明らかになった。

 この会見の時点ですでに記者から「資本参加や経営の一部統合」についての質問があり、日産内田誠社長、ホンダ三部敏宏社長ともに、あらゆる可能性を否定しない、との旨を語っている。

 何が言いたいかというと、今朝の報道は(いま表に出ている情報を見るかぎりにおいて)2024年8月時点の見解を更新する内容ではない。

 いっぽうで日産、ホンダ、三菱自ともに、協業については「スピードを重視する」と語っており、あくまでメドではあるが「今年度中(つまり2025年3月いっぱいまで)になんらかの成果を」と言っていて、この年末年始に具体的な動きがある可能性もある。

 協業に向けた話し合いが進んでいることは間違いない事実であり、「組めば成果が上がる分野がいくつもある」というところも間違いないので、あとは「いつ、なにがどこまで発表されるか」という状況が続いているわけだ。
(なお本報道を受けて日産自動車の株価は18日の市場取引開始から急上昇中。340円/株から1時間半で412円/株まで21.1%上昇しています)

 情報が更新されればすぐに精査して報じる準備を整えつつ、(ベストカーが言うのも心苦しいですが…)初期報道に踊らされ過ぎないよう注意したい。

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