2026年6月18日、三菱自動車工業の第57回定時株主総会が、東京・白金台のシェラトン都ホテル東京で開催された。2026年4月に就任したばかりの岸浦恵介代表執行役社長兼COOが初めて臨む株主総会とあって、質疑応答は盛況。昨年(2025年)に続いてランサーエボリューション復活を問う声が上がったほか、WRCへのワークス参戦復帰や新社長のクルマ愛、三菱ファンづくりへの本音……クルマ好きなら耳を傾けたくなるトピックが続出。ベストカーWebが現場の雰囲気とともにお届けする。
文:ベストカーWeb編集部 画像:三菱自動車工業
【画像ギャラリー】株主が直撃!ランエボ復活、WRC復帰…三菱自動車岸浦新社長が総会で明かした「本音」と「夢」(3枚)画像ギャラリー株主が直撃!「ランエボ復活はありますか?」
岸浦新社長就任後初の株主総会とはいえ、実際の「仕切り」は今年4月に取締役 代表執行役CEOへ就任した加藤隆雄前社長。先日発表された今年度決算の数字や「中長期ビジョン」を株主へ説明。スムーズに進行してゆくなかで、今年もやっぱり盛り上がったのは質疑応答だった。
ある株主が、「昨年ベストカーでも取り上げられた話題ですが(※視聴していた本企画編集担当、ここで椅子から落ちる)、今年もぜひ伺いたい話です。ランエボについて。今年はパジェロ復活が明言されて大変よいことだと思いますが、それならランサーエボリューションの復活も期待したい。ランエボ復活は考えていますか?」
と問いかけると、会場はざわめきに包まれた。これに対し、回答は加藤CEOから岸浦恵介代表執行役社長兼COOへバトンタッチ。
「残念ながら現時点での将来の商品計画にランサーエボリューションは入っておらず、商品化の予定はたっておりません。しかし、三菱らしい商品を作ることは先頃発表した中長期ビジョンでも表明しており、将来的にそうした三菱らしい商品の用意は検討していきたい。(中略)将来こういったらしいクルマを、もう一度出せるような会社にしていきたいと思っております。わたくしもその先頭に立って頑張っていきますので、株主の皆さまにもご支援をたまわりますと、ありがたいと思います」
現時点で計画なし、という回答は、ランエボファンには正直もの足りないかもしれない。ただ「三菱らしい商品」というワードには、先頃「2026年秋に公開」と復活が宣言された新型パジェロと同様の可能性を感じる。ランエボ復活を楽しみにしている読者のみなさん、ベストカーは引き続き三菱に「ランエボ、待ってます」という声を届け続けるぞ。
なお、この質問をされた株主様──ぜひ編集部にご一報いただきたい。一緒に「ランエボ、待ってます」を三菱へ届けましょう!
岸浦新社長はクルマ好き?「大好きです」と即答!
また、今年(2026年)4月に代表執行役社長兼COOに就任した岸浦恵介氏は、欧州・米州での海外法人勤務や経営企画など、主に営業・コーポレート部門を歩んできたキャリアの持ち主だ。「クルマが好きなトップ」として知られる他社の経営者と比べ、岸浦社長のクルマへの感度はどうなのか──株主がズバリ聞いた。
「新任の岸浦さんは、運転は好きですか? クルマは好きですか? たとえばクルマ好きで知られる他社のトップ、モリゾウさんとはクルマを通じて会話できそうですか?」というストレートな質問に、岸浦社長は「運転は好きです。クルマも大好きです。こうした趣味の話でいろいろな方と交流していきたいと考えています」と即答した。
自動車メーカーのトップとして「クルマが大好き」という言葉は、これ以上ない説得力を持つ。岸浦新社長のもとで、三菱の「らしさ」を追求するクルマづくりが加速することを期待したい。
モリゾウさん(トヨタ自動車豊田章男会長)、よろしくお願いします!
WRC復帰「わたし自身の夢」でも現状は厳しい
続いて飛んだのが、WRC(世界ラリー選手権)に関する質問。
「トライトンの(アジアクロスカントリーラリーでの)健闘や、パジェロ復活明言は非常にありがたい話題ですが、個人的には三菱自動車といえばやはりWRC(世界ラリー選手権)。近年大変盛り上がっているWRCに、三菱がワークスとして復帰することは検討していないのか?」という問いに、岸浦社長が胸の内を明かした。
「WRCへのワークス参戦復帰は、わたし自身の夢でもあります。ただ、現在では復帰の計画はありません。現在の弊社の状況を考えると、WRCへのワークスとしての復帰は難しいですが、いつか、という気持ちではあります」
夢かーー! 1990年代にランサーエボリューションでWRCを席巻し、トミ・マキネンらエースドライバーたちとともに三菱が世界を沸かせた時代を知るファンには、「わたし自身の夢」という言葉は感慨深く響いたはずだ。「いつか」が現実になる日を、ともに待ちたい。
ファンづくりは「まだ足りない」でも前向きに取り組む!
質疑応答で盛り上がったもうひとつのテーマが「ファンづくり」だった。
「三菱は他社に比べてファンづくりに熱心ではないのではないか。もっとファンになってもらうためのイベントや仕組みを考えたほうがよいのでは」
という株主の意見・質問。これは大変ごもっとも。この質問に、会社側も真摯に応じた。
「ファンづくりは弊社としても大変重要だと位置づけております。三菱自動車でも、デリ丸グッズを展開したり、スターキャンプ(三菱自動車ユーザー向けのキャンプイベント)を実施したりと、やってはいるが、まだまだ足りていないとも思っています。前向きにやってまります。ご提言ありがとうございました」
という回答だった。
パジェロやデリカD:5を筆頭にした「濃い車種のオーナーやショップ」を中心に、独自のコミュニティ文化を育んできた三菱ファンは、もともと熱量が高い。その熱を束ねる仕組みがさらに充実すれば、ブランドの求心力はいっそう高まるはずだ。
ランサーエボリューションの復活にはもう少し時間がかかりそうだが、三菱ファンを一緒に盛り上げていくことならベストカーも全力で加勢する。次の総会で「今年もベストカーで取り上げられました」とご報告できるよう、応援を続けていく所存です。
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