日産自動車が窮地に陥るなか、あれやこれや暗いニュースが咲き乱れる今日この頃。エルグランドも、キックスもあるけれど、もう少しなにか爆発的ないいニュースがあるかなって探していたら「日産車体」から取材のお誘いが来た。なんといっても高規格救急車の生産現場を見せてくれるという。
文/写真:ベストカーWeb編集長 塩川雅人
日産車体グループとしての存在感
日産車体といえば、なんとなく日産の関連会社で神奈川・平塚に工場があるなぁ、というイメージを持っている人も多いだろう。NV200やキャラバン、エルグランドなどの製造を担っている会社なのだが、実はもうひとつの顔がある。
それが特装車の製造なのだ。いわゆる「はたらくクルマ」なのだが、今回はキャラバンをベースにした「パラメディック」という高規格救急車の製造現場を見ることができた。
今回編集部が訪問したのが特装車製造をメインとする日産車体のグループ会社である「オートワークス京都」。ベストカーでもお馴染みの日産京都自動車大学校に近いのだが、なんたってこんなに救急車が並んでいるのは見たことがない!!!
実は取材に訪れた2025年12月は年度末の救急車納車ラッシュに向けた繁忙期であり、日産車体から取材のお誘いをもらい京都まで訪問したってわけ。それにしてもこんなに救急車が並ぶ光景は生まれて初めて。
強敵「ハイエース」に挑むキャラバンの姿に感動
救急車など緊急車両の世界は非常に深い。日本で主流の高規格救急車は今回紹介する日産系のキャラバンをベースにした「パラメディック」、そして圧倒的シェアを誇るトヨタハイエースをベースにした「ハイメディック」の2台だ。
市販車でもハイエースとキャラバンといえば長年のライバルなのだが、やっぱりハイエースが圧倒的なシェアを誇る。7ATの搭載やひと足早いACCの搭載など、キャラバンがハード的に負けているというわけでもないのだが、やっぱり圧倒的なハイエースのシェアには敵わない。
高規格救急車でもハイメディックが全体の70%のシェアを持っているという状況で、キャラバンは販売面だけ見るとやや厳しいシェアだ。
日産らしさは「クルマ好き」の魂だった!
しかーし、数字だけで物を語るとろくなことがないというのは今回の取材でわかった話。実はキャラバンベースの「パラメディック」は細かい仕様変更への対応で一定のシェアを守っているのだ。
ハイメディックが均一化した製品展開をしているのに対し、オートワークス京都で作られる個体を見るとかなりバラバラ。消防本部の要求する仕様によってサイレンの種類、内装の誂えなどが事細かに作り分けている。
またパラメディックでは薬品対応のシート素材の採用(ハイメディックではシートカバー対応)など、細かな作り込みがどこか日産らしさを感じるのがすごい。また後部のステップ幅でディパーチャーアングルを稼ぎだすなど、ハイエースに対するアドバンテージをしっかり持っているのだ。
実はオートワークス京都では「マイルーム」シリーズの木工内装も内製しているのだが、その様子はまるで大手の家具工場のようだった。このクラフトマンシップは日産、そして日産車体グループの大きな魂なのだ。
日産本体が厳しい日々が続いている(報道も含めて厳しい)が、まだまだ日産グループには日産車体など多くのポテンシャルのある会社がたくさんある。そしてそこに働く人々だって「日産」を背負ったプライドも技術もある。
そんなことを思いながらふと従業員駐車場を見渡すとR33のセダンがいたり、お話を伺ったみなさんの節々から「クルマ好き」が溢れていた。クルマが好きだからできることというのは多くあるが、救急車の仕立てを見ていてもその意気込みを感じることもあった。
救急車にはお世話にならないことが一番だが、ぜひ街中でパラメディックを目撃したら「京都で生まれたんだなぁ」と応援してもらえると嬉しい。
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