車で移動していると、今のご時世、電話やメールが入ってくることも多い。例えば、営業職の方などならなおさらだ。
走行中のスマホ操作はもってのほかだが、赤信号で停まっている時にスマホを操作したら違反になるのだろうか?
文:ベストカー編集部/写真:shutterstock.com
ベストカー2017年6月26日号
道交法には『停止を除き』との記載あり
運転中にスマホや携帯電話を使用することは、運転をする者として、飲酒運転などと並び、やってはいけないこと。当然、使っているところを警察官に見つかれば切符を切られる違反行為だ。
では、赤信号や渋滞で「停車」している少しの間に、運転中に届いた着信を確認しようと、スマホなどを見ている人を見かけたことはないだろうか。
停止中の場合、スマホや携帯電話を操作することは道路交通法違反になるのか?
警察は停止中の取り締まりについて明言避ける
下に道路交通法の条文があるが、そのなかに「当該自動車等が停止しているときを除き」とある。
■道路交通法 第71条 第5号の5(一部抜粋)
自動車又は原動機付自転車(以下この号において「自動車等」という。)を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置(その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る。)を通話(傷病者の救護又は公共の安全の維持のため当該自動車等の走行中に緊急やむを得ずに行うものを除く。第百二十条第一項第十一号において同じ。)のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置に表示された画像を注視しないこと。
『停止』に関しての明確な定義はない。しかし、道路交通法では、赤信号で「停止しなければならない」としているので、信号待ちは停止状態と考えるのが妥当だ。
すると、赤信号時は停止状態という扱いになるため、前出の行為は違反にはならないという見方もできる。
では、これについて警察はどう考えているのか? 法律的な解釈に関しては警察庁に、「停止中に取り締まりを行うのか」については警視庁に質問した。だが、回答はどちらも
「道路交通法第71条第5号の5の条文にあるとおりになります」
とのこと。
なんとも判然としない回答だが、文面どおりに捉えれば、エンジンがかかった状態であっても、「停止」していれば違反にはならないと受け取ることができる。
ただし、スマホ操作中に車が少しでも動けば「走行中」となる。また、青信号になってもすぐに動けないような状態(電話中、スマホを注視)の場合、個々の警察官の判断により運転中も操作する意志があると判断され、切符を切られる可能性があるのでご注意を。
ちなみに自転車の場合も、車と同じく「停止中」はスマホ等の操作をしても違反にあたらないという“解釈”が一般的。
ただし、法律は同じ条文でも読む人次第で、違った解釈ができる場合もあるから厄介なもの。だからこそ裁判があり、「その解釈が正しいかどうか」を争うわけで、ここで紹介したことはあくまで“一般論”程度に受け取ってほしい。
そして、違反か否かに関わらず、もし車に乗っている時にスマホ等を操作するなら、必ず安全な場所に車を停めたうえで操作することをおすすめする。
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