■「日本人が求めるアメ車らしさ」を突き詰めた車を
この背景にあるのはアメリカ車の変化と日本における価値の変化だ。日本のユーザーがアメリカ車に求めるのは、今でも大胆なデザイン、大排気量エンジンが生み出すゆったりした運転感覚にある。1960~70年代前半は黄金期で、小規模な輸入車市場のなかでアメリカ製のセダンやクーペが人気を高めた。
ところが1973年のオイルショックでアメリカ車は燃費志向になり、ボディや排気量を縮小させた。見栄えと運転感覚の両方で大胆さが薄れ、魅力を落とした。
ただしSUVは違った。日本のユーザーが好む輸入セダンはオイルショックを境に欧州車に変わったが、SUVはパジェロ、ランドクルーザーのようなオフロードモデルが人気で、アメリカ指向が残っていた。だから日本のアメリカ車はSUVで生き延びた。
従って、日本で売るなら「アメリカ車らしさ」が重要であり、今でもSUVにはそれがある。
いっぽう、セダンはキャデラックのように欧州志向が強まり、アメリカ車らしさは乏しい。欧州車風のアメリカ車にはなんの魅力もないから売れゆきも下がった、ということだ。
経済性、質感、取りまわし性などはどうでもよく、「日本のユーザーが感じるアメリカ車の個性」を突き詰めた車種を輸入して欲しい。
そしてアメリカ車には質感を求めていないから、価格が高いとダメだ。300万円以下のV8エンジンを積んだクルマが理想になる。
SUV以外ではマスタングやカマロのような「大衆的」なクーペもよい。コルベットはボトム価格が994万円なので厳しいだろう。
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