スープラといえばBMWとの協業で生まれたトヨタのスポーツカー。その生い立ちにいろいろと意見があるのはよくわかるが、このスポーツカー受難の時代にこのクルマが存在することに感謝したい気持ちも大きい。
そんなスープラ、3Lの直6エンジンを搭載するモデルでは340psを誇る。一見すると充分すぎるものに思えるがカスタム業界から見ればまだまだ開発の余地があるようだ。
はるか海の向こう、ドイツのBMWチューナーがスープラの本格チューニングを完成させた。派手すぎず、地味すぎず、いい塩梅のスープラカスタムを紹介しよう。
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文:ベストカーWeb編集部/写真:AC Schnitzer
■日本車初挑戦!! それでも名門チューナーがスープラに順応できたわけ
AC Schnitzer(エーシー・シュニッツァー)といえばニュル24時間レースなどをはじめ、BMWと共に数々のレースを戦い、市販車のチューニングを手掛けてきたドイツを代表するチューナーである。
そんな彼らが2020年3月に満を持して発表したのがスープラのカスタム。ご存知のようにスープラは心臓部であるエンジン、シャシーなどほとんどの部品がBMZ Z4と共用されるBMWの兄弟車だ。
もちろん乗り味の味付けなどはトヨタのエンジニアが行っているし、その乗り味についてもトヨタにとってのフラッグシップスポーツとしての威厳もあり、非常にスピード感が高い1台。
とはいえ乗っていると恐ろしいもので、物足りなさを感じたり、あそこがこうだったらな……という欲がわいてくるのも事実。
そんな最中「BMWベースのスープラのカスタムも任してよ」と言わんばかりに、AC SchnitzerがこれまでのBMWチューニングで得た見識をフルに発揮してチューニングパーツを完成させた。
もちろん開発が容易ではないだろうが、BMWを知り尽くした彼らからすればトヨタ車を解析するよりも何倍もスムーズに開発ができる。
エンジンのマップ解析などすでにBMWの「ツボ」を知り尽くした彼らなら、初めての「日本車」でもすんなりとチューニングできちゃったというわけだ。
■サブコンで60psアップ!! スープラの本領発揮だ
同社のスープラ向け製品は、大きくわけるとエアロパーツ、コンピュータ、サスペンション、マフラー、ホイールとなる。
チューニングの肝となるのがコンピュータ。ブースト圧のみならず、点火時期などを入念に分析し最適なマッピングを提供するサブコンピュータとなる。これだけでエンジンパフォーマンスは340PS/500Nm→400PS/600Nmにまで向上する。
もちろん単純なパワーアップではなく、冷間時や高温時にはエンジンのコンディションや安全性を維持するプログラムも入っており、さすが名門って感じだ。まあお値段45万円(税抜き)とかなりの価格になるが、費用対効果については抜群かもしれない。
エアロパーツもACシュニッツァーらしい大人っぽさが特徴。フロントリップスポイラー(17万5000円)、ボンネットダクト(12万8000円)、リアカーボンウィング(53万円)という構成。
もともとかなり目立つスープラだけに装いはかなり控え目。純正からこんな雰囲気だったよなと思えるような出で立ちだが、リアウイングだけはややヤンチャな雰囲気なのもいい。
サーキット走行なども視野に入れた車高調キットなども用意するACシュニッツァー。現段階ではチューニングパーツにつていは3Lモデルのみだが、今後は2Lモデルについても開発しているという。
日本での販売元であるADVENTの小林氏は「これまで日本車のパーツを発売したことがないのですが、スープラのパーツについては初めてお取引をするショップ、ディーラーからの問い合わせが多くあった」と語る。
5件に1回は前出のパフォーマンスアップグレードの問い合わせだといい、400psを発揮するスープラオーナーがここ日本でも増えてきているのかもしれない。
BMWとトヨタの共作となった新型スープラ。かつての名機2JZを搭載したJZA80を超える逸材となるのか? ますますのカスタムにも期待したい。
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