最も身近な車の消耗品の1つが「タイヤ」である。しかし、いざタイヤを交換しようと思っても「どんなタイヤを買えばいいのかわからない」、「どこで交換すべき?」と疑問に持つユーザーも少なくないだろう。
ひと口にタイヤ交換といっても、新車ディーラーからタイヤ専門店、カー用品店などタイヤの購入先はさまざま。最近ではネット通販でもタイヤ購入ができるようになり、その選択肢はますます多様化している。
そこで、本稿ではタイヤを購入する場所によってどのくらい費用が違うのかを独自調査に基づきシミュレート。実はその価格は大きく異なり、買い方によってそれぞれ価格以外のメリット・デメリットもある。
文:永田恵一
写真:Adobe Stock、編集部
カー用品店は種類豊富! タイヤ専門店は作業レベルも高い
今回は、人気が高い車種に使われている一般的なタイヤサイズでシミュレーションを敢行。タイヤの銘柄は「ブリヂストン」のスタンダードなエコタイヤ「エコピアNH100」、サイズはトヨタ プリウスを始め、ヴォクシー/ノアや日産 セレナなどの売れ筋ミニバン、さらに現行車でない大衆車にも多い195/65 R15(タイヤ幅/扁平率 インチ)とした。
工賃はタイヤの脱着、組み替え、ホイールバランス調整、地味なパーツながら強大な力が掛かっており定期的に交換したいエアバルブ交換、廃タイヤの処分代が含まれている。
【ケース1】カー用品店
タイヤ交換を考える際に多くの人がはじめに考えるのは、「オートバックス」や「イエローハット」などのカー用品店かもしれない。大手カー用品店の交換費用の一例は以下のとおり。
・タイヤ代/1万7000円(1本)
・工賃/1600円(1本)
※4本交換で合計7万4400円
●メリット
・タイヤを豊富に在庫しているので、車種や使い方、予算に合ったものを選びやすい
・どれを買ったら良いか分からなくても、スタッフに相談に乗ってもらえる
▲デメリット
大きなデメリットは価格を各々がどう考えるか以外見当たらない。
【ケース2】タイヤメーカー系の専門店
ブリヂストンであれば「タイヤ館」や「ミスタータイヤマン」といった、基本的にそのメーカーのみを扱う専門店。某ブリヂストン系専門店での交換費用は以下のとおりだ。
・タイヤ代/1万8500円
・工賃/2000円
※4本交換で合計8万2000円
●メリット
・専門店だけに作業レベルは高い
・商品知識も豊富なので、車種や使い方に合ったタイヤを選びやすい
・「前後ローテーション」や「パンク修理」などが無料、サービス価格ということも
・ショップの性格によってはタイヤ以外のチューニングパーツを扱っていたり、サーキット走行会などのイベントを行っていることもあり、タイヤ交換をきっかけとした自動車趣味が広がるケースもある
▲デメリット
・基本的にそのメーカーのタイヤからしか選べない
・専門店だけに価格は高い傾向
銘柄は限られるがディーラーやスタンドは融通が利く!?
【ケース3】新車ディーラー
ディーラーのショールームを覗くと、タイヤが並んでいることをよく見ることからも分かるように、タイヤ交換が可能なディーラーも多い。ディーラー自体でタイヤの組み替えやバランス取りを行うケースは少なく、タイヤ屋さんが出張で行う場合が多いので作業レベルも問題ない。
「ディーラーでのタイヤ交換は高い」というイメージもあるかもしれないが、案外そうでもないこともある。
・タイヤ代/1万6000円
・工賃/2500円
※4本交換で合計7万4000円
●メリット
・一般的なその車種の使い方に合ったものを選んでもらえる
・車検やほかの整備と一緒に頼める
▲デメリット
・扱っているブランドや銘柄は少ないことが多い
・タイヤ屋さんが来る都合もあり、フラリとよってすぐに交換できる可能性は低い
【ケース4】ガソリンスタンド
ガソリンスタンドの店内ポップや店外を見ても分かるように、タイヤ交換をしてくれるガソリンスタンドも多々ある。価格は高い傾向だが、キャンペーンなどに当たると意外に安いケースもある。
・タイヤ代/1万8000円
・工賃/3000円
※4本交換で合計8万4000円
●メリット
・馴染みのガソリンスタンドなら何かと融通が利くこともある
▲デメリット
・扱っているブランドや銘柄は限られることが多い
・そのガソリンスタンドのタイヤ交換をする頻度によっては作業レベルが低いこともある
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