北米の小さな自動車メーカーが製造した個性的なクルマは、知る人ぞ知るというようなニッチな存在だったが、映画への起用によって世界中に多くのファンを持つこととなった。それがデロリアンだ!
映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズに登場するデロリアン型タイムマシンへの愛が高じて、本物そっくりのレプリカを作り上げてしまった日本人がいる。今回はその人物をレポートする!
文/加藤久美子、写真/加藤博人
■日本の公道を走れる世界でただ1台のタイムマシン仕様デロリアンとは?
世界中で愛される映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(以下BTTF)シリーズに登場し、一躍、主役級の人気となったクルマと言えば「デロリアン」をベースにしたタイムマシンである。
3つのシリーズに登場するタイムマシンはそれぞれ仕様が異なるが、ベースはいずれもイタリアデザイン界の巨匠ジウジアーロによってデザインされたDMC12デロリアンだ。
ガルウィングとステンレススチールのアウターボディパネルが特徴的なデロリアンはBTTFに登場したおかげで世界に広く多くの人々の憧れのクルマとなった。
発売から40年以上経過していてもこのデザインは未来的でまさにタイムマシンにピッタリ? 唯一無二の存在感と斬新なスタイリングは今なお大きな魅力を放っている。
日本でも大人気のデロリアンだが、日本には現在200名以上のデロリアンオーナーが存在する。そして、この中にはとんでもないデロリアンを作ったオーナーさんが存在する。
「とんでもないデロリアン」とはBTTF仕様として非常に高い再現性を実現しつつ、なんと! 保安基準を満たし公道を走れるデロリアンのことだ。
オーナーさんは関西地方に住む津和敏夫さん。実車を入手する以前からデアゴスティーニの分冊百科『週刊バックトゥザフューチャー デロリアン』(2017年1月発売)で世界的にその名を知られていた方である。
周囲のデロリアン仲間にそそのかされてまずは内装からBTTF仕様を作り始めたのだが、結果的に世界屈指のタイムマシンデロリアンを完成させてしまった。
その完成度たるや映画に出てきたデロリアンをしのぐのではないか? というほど高い。BTTFデロリアンの中には、「装着するだけ」(公道走行不可)のキットも複数販売されているが、もちろんそのような類ではない。
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