花見台自動車が「ジャパントラックショー2022」に出品した「セフテーローダ グライド4 プロトタイプ」は、リアオーバーハングが短い一般型の1台積み車両運搬車で荷台傾斜角2度の超低スロープを実現しているのが特徴。一体どんな狙いで開発されたのか? ショー出品時からさらに熟成を重ねた発売間近の「ほぼ市販モデル」を取材した!!!
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/花見台自動車、トラックマガジン「フルロード」編集部
※2023年3月発行「フルロード」第48号より
セフテーローダ グライドとは?
福島県いわき市に本社を置く花見台自動車といえば、国産初のスライドボディ式1台積み車両運搬車「セフテーローダ」が有名。1972年に登場した同車両は現在、1台積み車両運搬車の代名詞となっている。一方今回の主役は、その派生機種の「セフテーローダ グライド」である。
最大の特徴は、独自のスライド機構により荷台を地面に降ろしてクルマの積み降ろしを行なう点で、これにより荷台を斜めに傾けて積み降ろしを行なう通常のセフテーローダよりもゆるやかな荷台傾斜角を実現。その特性から、最低地上高が低いスポーツカーの輸送をはじめ、さまざまな場面で活躍している。
やはりこちらも歴史は長く、25年前の1998年に初代モデルが登場。翌99年には油圧機構を改良した2型が登場し、さらに6年後の2005年にはメカ部分の信頼性を大幅に高めた3型が登場。現在販売されているのがこの3型だ。
ただこの3型、「自動車以外の積み荷を容易に積めない構造」にする代わりにリアオーバーハングの長さをホイールベースの2/3まで伸ばすことができる「車載専用型」での登録なら荷台傾斜角2度だが、「自動車以外の積み荷も運べる」代わりにリアオーバーハングがホイールベースの1/2に制限される「一般型」だと荷台傾斜角が3.5〜4度と、やや大きくなるのがネック。
今回の4型は一般型で車載専用型と同等の荷台傾斜角2度を実現するべく開発されたもので、「ジャパントラックショー2022」に出品された車両はその開発途中のプロトタイプ。一方今回取材したのは、その後来場者の意見などを反映してさらなる改良を加えた「ほぼ市販状態」のものという。