北海道の日鋼トラックが、大阪の特殊トレーラメーカー・トーヨートレーラーの新型特殊トレーラを導入し、運用を開始した。積み荷の大型モジュール化に対応するべく、積載量にこだわって開発された同車両の実力とは? 納車直後の実車を取材した。
文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
※2023年6月発行「フルロード」第49号より
日鋼トラックとは?
日鋼トラックは北海道室蘭市に本社を置く運送会社で、平成4年(1992年)に日鋼運輸の出資により設立された。日鋼運輸は日本製鋼所グループの物流会社で、日本製鋼所M&E室蘭製作所の構内物流をメインで行なっている。
一方、日鋼トラックは構「外」輸送がメイン。得意とするのは大型鉄鋼製品、大型産業機械、大型建設機械などの重量物/かつ大品輸送で、輸送エリアは北海道~沖縄まで日本全国におよぶ。
保有車両は重量物運搬用、建設機械運搬用、鋼材運搬用、電力発電部材運搬用、ダンプトレーラなど多岐にわたり、特に日本政府発表の2050年カーボンニュートラルへ向けた再生可能エネルギー関連事業に関しては、巨大風力発電機材運搬用特殊トレーラを多数保有するのが持ち味。
また、2018年には大阪の特殊トレーラメーカー、トーヨートレーラー製のモジュラーコンビネーショントレーラ(2軸+4軸)を導入している。
モジュラーコンビネーショントレーラの特徴
モジュラーコンビネーショントレーラとは、油圧ペンデュラム式アクスルを備える平床型モジュラー台車(ボギー台車)を、積み荷の形状/大きさに応じて結合して運用するトレーラのこと。国内ではグースネックやベッセルデッキなどの積載装置を結合して運用するのが一般的だ。
今回同社が導入したのは、トーヨートレーラー製モジュラーコンビネーショントレーラ(2軸+3軸)。開発コンセプトは「さまざまな積み荷に対応できるトレーラ」である。
具体的には、グースネックなどの積載装置を結合していない状態で最大積載量約200トンを確保することを目指して開発した。また、構内輸送においては、2018年に導入した車両と結合して、最大11軸/最大積載量300トン超で運用できるようになっているのも大きな特徴だ。