沖縄のバスを手足のように使いたいだと!? それなら文字より「数字」を見ていただこうか!!

沖縄のバスを手足のように使いたいだと!? それなら文字より「数字」を見ていただこうか!!

 移動手段に公共交通機関を選ぶと、バスでしか行けない場所が沢山ある沖縄本島。ここで立ちはだかる最大の壁がバス利用の難しさだ。

文・写真:中山修一
(沖縄のバスあるあるにまつわる写真つき記事はバスマガジンWebもしくはベストカーWebをご覧ください)

■日本一難しい? 沖縄のバス

どのバスに乗ったらいいのか、それが問題だ
どのバスに乗ったらいいのか、それが問題だ

 路線バスをメインの移動手段にするのは、日本全国どこでも多少のコツと経験、それに加えて勘が必要になってくる芸当かもしれない。

 そんな中、県庁所在地を離れるとタクシー以外の公共交通機関が路線バスだけになる沖縄は、北海道・本州・四国・九州とは異なる、バスを利用するにあたっての独特な約束事がたくさんあるような気がする。

 「前乗り・前降り」、「Suica使えない」、「遅延はつきもの」といった基本のお約束もそうだが、何より沖縄本島内には、あまりにも広いバス網が展開している。

 そのため選択肢が多くなりすぎて、乗るバスを見つけるまでが大仕事。結果として「ジャムの法則」が働き、サジを投げてしまいたくなるところが、他の地域ではあまり経験したことのない、沖縄のバス最大の難しさだ。

 転じて、苦労した分だけキレイに繋がった時の喜びが一層大きくなるため、その難しさこそ奥深い魅力に変わるとも言える。

■こだわるほどに泥沼へ!?

 沖縄のバスは全国的に見て利用難易度が高いのは間違いない。とはいえ「とにかくA地点→B地点まで行けさえすれば良い」なら、どれに乗っても最終的にはB地点に着けるパターンは多々あるので、それほど身構える必要はないかも。

 ただし、「A地点からC地点を経由してB地点へ行きたい」のようなコダワリ要素を入れると、一気にウエルカムto泥沼だ。

 沖縄の主要4社と言われるバス会社の路線には、大体どれにも系統番号が割り振られている。「系統番号○○番」がフォーマルな言い方で、省略形では「○○系統」ではなく「○○番」で表す。

経路違いに御用心
経路違いに御用心

 行き先が同じでも、系統番号が1違うだけで経路が全然変わったりする。行き先は共通だし、999番と一緒だろうと思って先に来た998番乗ったら、海岸線に寄せて進みたかったのに内陸入っちゃったよ!! なんて惜しすぎる事態は常に隣り合わせだと思って良さそう。

■文字より数字が重要

 自分が行きたいと思っている方向へ確実に進むためには、バスの行先表示に記されている系統番号の数字を真っ先に見るのが重要と言える。

系統番号をマスターすれば沖縄のバスを自由自在に操れる!?
系統番号をマスターすれば沖縄のバスを自由自在に操れる!?

 路線バスに乗る際は、全国的に見るとそもそも系統番号が付いていない路線も多々あり、優先順位では「行き先>系統」のイメージが強い。

 それに対して沖縄はまったく逆の「系統>行き先」になるのが面白い。系統番号を先に気にするのもまた、沖縄のバスならではの特色かも知れない。

■数字に頼らないといけない切実なワケ

 バスの経路にこだわるなら、まず行き先ではなく系統番号を見る……これにはもう一つ、観光で来た向きには、沖縄特有の切実な悩みごとが立ち塞がるためだ。

 行先表示には経由地が掲示されていることも多いので、その経由地の文字情報を見れば経路が分かるんじゃないの? と思いきや、その経由地が「読めねぇ…」という事態によく陥る。

後が“くし”になるスタイル
後が“くし”になるスタイル

 原を「ばる」と読むくらいなら何となく分かるものの、当て字系の多い沖縄の地名には、漢字の読み方の法則性があまりない。

 例えば国頭と書いて「くにがみ」と読む一方、具志頭という場所は同じ頭を使うから「ぐしがみ」のかと思いきや正しくは「ぐしちゃん」。いずれにせよ通常は頭という文字に当てる読みじゃないところがミソ。

玉を“だん”と読ませるのが珍しい
玉を“だん”と読ませるのが珍しい

 今帰仁の読みが「なきじん」だったり、勢理客と書いてどうやったら「じっちゃく」と読むようになるのか考え込んでしまう地名に至るまで盛りだくさん。

一発で読めたらスゴい
一発で読めたらスゴい

 友達と何人かで集まっていて「沖縄って地名が読めなくてねぇ」なんて話題になった途端、「ていうかそんなの読めて当たり前だけど?」とかぬかしてくるマウントガイがいたら、そいつとはサッサと縁を切っちまうのが後々みんな幸せ、それくらいの難読レベルが勢揃いしている。

 そんなわけで、マップを見ながらバスを選ぶ際に「なんか読めないけど途中この漢字のところ通るやつ」となれば、長い文字を見るよりも短い数字に頼ったほうが端的で覚えやすい、という寸法になる。

 現地でバスの運転手さんと話をした時をはじめ、なぜかインバウンド系の観光客に「どのバス乗ったらいいの?」と何度か聞かれたが、いずれの場合も「○○番」で表すのが確実だった。

 インバウンドさんのうち、「これから泊まるホテルの送迎バス予約したんだけど、どこで乗れるの?」と聞かれた時はサスガに分かりません、と答えざるを得なかったけど……。

 ちなみに、バスターミナル等にはバスの路線図が貼り出されていて、略図ではなく縮尺地図の上に路線図と系統番号を描いたものがよく使われている。

縮尺地図タイプのバス路線図がうれしい
縮尺地図タイプのバス路線図がうれしい

 地図タイプの路線図は土地勘がない観光客にとって大変頼もしい存在。ただし「廃止になってる路線があるかもしれないので気をつけろ」のようなことも書いてあるので過信は禁物だ。

【画像ギャラリー】沖縄のバスは「記号化」して乗るのがベスト?(11枚)画像ギャラリー

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