毎年度肝を抜かれるコンセプトカーが登場する東京オートサロン。そして常連となっているのが日産自動車大学校のコンセプトカーたち。今年は京都校が2台、愛知校が1台を出展。もうね、制作途中から見ても感動しちゃってるのよ。
文:ベストカーWeb編集部/写真:編集部、日産
【画像ギャラリー】ベース車の造形も維持しつつ紆余曲折あるのよ!! ベストカー独占の制作過程画像を見て(16枚)画像ギャラリー■貴重なブルーバードアルティマをど根性カスタム
以前にベストカーWeb編集長が見学したのが、日産愛知自動車大学校のU11型ブルーバードマキシマ。実にアメリカンな雰囲気で本当にゆったりしていて「日産は輝いていたなぁ」という思いがフツフツ湧いてくる。
そんなブルーバードマキシマ、実は今回のオートサロン向けのカスタマイズカーのベースになっている。Y31セド/グロを4台も持っている濱村先生率いる学生チームが名付けたのが「ブルーバード・極」。
もうね、この街道レーサーというべきか、90年代半ばから2000年代初頭あたりのエアロ。ブリスターフェンダーといった方が正しいが、このフェンダーの角が実に精細。カクカクし過ぎれば安っぽくなるし、やらなすぎても主張が少ない。
ホイールもセンスがバッチリだし(もうちょいセットは詰めたいけど)、リアドアノブのフェンダーが非常にスタイリッシュでもうたまらないっす。横置きV6というかなりユニークな1台だけにその走りも気になるところ。
あとはカラーリングだよね。白や黒だと味気ないし、なんか絶妙なブルーがいい。オーロラフレアブルーパールはノートやZなどにも設定があったけど、セダンにもバッチリっすね。やっぱり個人的には若い学生らしい「思い切り」が嬉しいところ。
【画像ギャラリー】ベース車の造形も維持しつつ紆余曲折あるのよ!! ベストカー独占の制作過程画像を見て(16枚)画像ギャラリー■旧車マニアの学生が躍動する現代版ケンメリ「ネオスカイライン」
これはもう編集長も乗っていたV35のスカイラインクーペがベースなので、割と厳しい目で見ております(笑)。なんたってポルシェデザインと言われる流麗なボディデザインを切った、貼ったするなんて……。
実際に制作過程を見ているともう心臓が止まるかというほどの大胆な工事。フロントボンネットどんだけ伸ばすのよ? あの丸みを帯びたボディがなんかエッジがきいた造形に変化していくし。
もう心配で眠れない日々を過ごしたのですが、大まかな形が見えてきたので取材に行くと「これはいいんじゃないか?」というレベルに仕上がっていました。顔面の造形ももちろんのこと、ボディサイドのサーフラインはなんと旧車マニアの学生の監修。
ドアサイドなどは元のスカイラインクーペの造形もあって、ややハコスカ気味になったという。だけどやっぱりリアホイール上のカットライン。たまらんねぇ。どことなくアルファロメオGTVのようなサイドデザインも素敵。
会場には旧車に寄せた車両が多いのでどう個性が光るかは楽しみなところだが、「ネオ=新しい/新時代の」であればもう少し個性的な融合、例えばスズキのイグニスみたいなかつてのモデルへのさりげないオマージュにも期待したい。
■フェアレディにも実用性が大切かも?
お次はフェアレディZ。なんだけどちょっと長い。横から見ると正体がわかるが、ベースはステージア。当時はV35などと共用部品も多くて「スカージア」を作るショップもあったが、やっぱりベース車両としても優秀。
フロント周りにはフェアレディの純正部品を使いつつ、うまいことリアまでの流れをバランスしているように見える。
もちろん車幅が違うのでフロントフェンダーなどは超自然に見えるけど調整している。ハイライトはリア周り。ステージアのゲートがちょっとボクシーなこともあって、今回はなんと流麗なリーフのゲートを移植している。
ぶっちゃけたところリア周りのボリューム感が目立つのだが、やはりベース車ありきのカスタムは制約があるからその工夫を見るのも面白いのよ。
シューティングブレイクのようにリアルーフを後端に向けて絞っていくともっとカッコよかったかもしれないが、それでもこの完成度はかなりのもの(骨格をいじると構造計算とか必要になっちゃうし)。
ぜひ3車3様の苦悩と、葛藤と、そして学生の晴々しい顔を東京オートサロンで見てほしい!!!
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