ダカールラリーにはさまざまな気の抜けないステージが待ち受けている。7日の競技もそんな気を遣うステージが待ち受けていた。
溶岩のような黒い岩がところどころに露出し、パンクを誘発しているのだ。第3ステージは我慢のステージだった。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/日野自動車・フルロード編集部
競技区間は短縮するも我慢を強いられるステージ
7日、ダカール2025の第3ステージはサウジ南西部のビーシャから北西部のアル・ヘナキヤへ。途中の丘陵地で327kmの競技を行なった。
当初は496kmで予定されていた区間だが、前日の48Hクロノステージから一部の参加者の帰着が遅れていること、降雨の影響で路面が崩れた箇所があることから、主催者はゴール位置を169km前倒しして距離を短縮させた。
路面は砂地の中にタイヤをパンクさせる恐れのある黒くて尖った岩が乗っている区間が序盤の100kmにわたって連続。中盤以降は高速のオフロードも登場したが、分岐が多く、ナビゲーションに気を遣うなど、気の抜けないステージだった。
最大の難関と言われた前日までの48Hクロノステージをトラブルなくクリアし、トラック部門の12位から6位に順位を躍進させた日野チームスガワラは、この日も順調に走行。
序盤の岩場をノーパンクで切り抜け、その後も堅実な走りで4輪部門の総合73位、トラック部門の首位から34分29秒遅れの10位でゴールした。これで7日までの累計順位を総合60位とし、トラック部門の6位をキープした。
8日に行なわれるアル・ヘナキヤ~アルウラの第4ステージと9日のアルウラ~ハイルの第5ステージは、途中のアルウラのビバークにチームのアシスタンスが不在のマラソン行程となる。
メカニックの整備やパーツの供給を受けずに2日間を走るマラソンは48Hクロノステージと同じくトラブル発生のリスクが高まる。日野チームのビバークでは夜8時前に競技車が到着すると、メカニックたちが早速入念な点検整備に取り掛かった。
【日野チームスガワラのスタッフのコメント】
菅原照仁
溶岩のような黒い岩はタイヤをパンクさせるので注意が必要ですが、時速40kmぐらいしかスピードが出せず、とても長く感じました。明日はアルウラに向かうのでまたモロッコのような岩場が出てきそうです。
染宮弘和
100kmも続く岩場はずっと我慢の走行でした。分岐がたくさん出てくるオフロードのナビゲーションはカップ(方位)をしっかり確認していれば大丈夫。みなさんの応援が力になりますので、SNSのメッセージもよろしくお願いします。
望月裕司
岩場ではタイヤ空気圧を高めに保ち、パンクにケアしました。それ以外は車両は問題なし。明日からマラソンなのでしっかり点検してもらいます。