燃費を考えながら速く走行する。言葉にするのは簡単だけど、いざサーキット実践しようとするとかなりハードルが高い!! ではどのようなことに気を使うことで、燃費と速さの二刀流を達成できる走りを実現できるのだろうか?
文:中谷明彦/写真:ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】962Cに787Bとか涙が出るぜ!! 嗚呼懐かしのグループCを一挙大公開!!(9枚)画像ギャラリー燃費を稼ぐために心がけていたことをぶっちゃけ!!
速く走ろうとしてアクセルを踏み込めば燃料を多く消費して燃費は悪化する。一方、燃費を良くするためには、アクセル操作をゆっくり行い、速度を落として走行するのがいい。このくらいのことは多くのドライバーは理解し実践しているだろう。
では、速く走りながらも燃費を良くするにはどんなテクニックが有効なのか。その辺を解説してみたい。
かつてグループC規格のレーシングカーで競い合う全日本スポーツプロトタイプカー耐久選手権のレースでは燃料の消費量が規定されていた。
このカテゴリーでは燃料タンク容量が100Lであるのに対し、レース中に使用できる燃料の総量を500kmレースでは323L、1000kmレースでは600〜510Lなどと制限していた。
一番の理由は環境への配慮であるが、燃費を向上させる技術開発に役立つとも期待されていたはずだ。単純計算では500km÷323L=1.5km/L。1000km÷600(510)L=1.66(1.96)km/Lで、フィニッシュ後にピットまで戻る義務もあるので数値以上に厳しい状況だった。
1〜2km/L台の数値は一般的な燃費値としては相当悪いが、常に全開で走るレーシングカーにとっては1km/L台は当たり前。皆さんが乗っている乗用車でもアクセル全開加速を試みれば燃費計は2〜3km/L台に落ち込むはず。
燃費を稼ぎながら速く走るためには、メカニカルロスや空気抵抗、タイヤの転がり抵抗を低減し、ドライビングではスロットル全開時間を減らし、高めた車速を落とさないようにコーナリングする。
直線区間ではアクセルを緩め、加速も減速もしないパーシャルスロットル域を活用。ギアをニュートラルにして空走するコースティング走行もしていた。
ヒール&トウを使用すると燃費に悪影響を及ぼすので、減速はブレーキで完結させ、速度が落ちてから加速ギアに変速することも効果的だ。また、ピットに無線で消費した燃料量が毎ラップ知らせるテレメトリー技術も導入されたのだ。
ただ、こうした電子技術は予算の潤沢なワークスチームとカスタマーチームでは差が大きく、使用を制限される場合もあった。
【画像ギャラリー】962Cに787Bとか涙が出るぜ!! 嗚呼懐かしのグループCを一挙大公開!!(9枚)画像ギャラリー時代によって燃費を節約する走らせ方にも変化が!?
実際のレースを走っていた経験でいうと、レース前半にハイペースで走ったチームは後半に燃費がきつくなり、大幅なペースダウンを強いられていた。それはウサギと亀の競争を再現しているかのようで、最終ラップに順位が大変動することも多かった。
コーナーは走行ラインをイン側寄りにとって走行距離を稼ぎつつ、ステアリング操舵角を小さく抑えてステアリング抵抗を減らし、でも速度はできる限り落とさないで走る。考えうるありとあらゆる手段を講じたものだ。
近年のレースは極端に燃費を重視するレースと、とにかく速さを競うレースに分かれている。毎年開催され、昨年は連続開催回数が35回となりギネスにも登録された「マツダ・メディア対抗4時間耐久レース」は燃費と速さの両立が求められるイベントとして定着した。
メディア対抗では6.5km/L前後の燃費で走ることができれば優勝争いに絡めるが、消費燃料量を知る手段が標準の燃費計しかないので正確に予測しづらい。
その中でベストカーチームは記念すべき35回大会を制した。今年はどんな争いが展開されるのか。各ドライバーが、いかに速さと燃費を両立させる走りをしているのかに着目して観戦するのも面白いだろう。
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