2017年に日本で再び発売された10代目シビック。日本に先んじて販売がスタートした北米では、2016年に北米カー・オブ・ザ・イヤーを受賞するほどの人気車種だ。
しかし、復活して3年目になるが、どうも国内の販売現場ではその将来を不安視する声が出ているという情報が舞い込んできた。その原因が、 月販目標2000台というデビューから達成できていない数字だ。日本向けの生産を終了するのでは!? とまでささやかれているという、その現状と問題点について販売現場を取材した。
また、そんな苦境を打破するために、2020年にホンダが打つ一手について、詳細情報をお届けしたい。
文/遠藤徹
写真/HONDA、編集部
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■不振が続く「シビック」、その原因とは?
2017年7月27日に日本向けが復活したホンダ「シビック」だが、1年半近くが経過した最近までの販売推移は極端な不振状態にある。5ドアハッチバック&タイプRはイギリス産の輸入モデルで4ドアセダンは国内工場で組み立てられている。
2019年1月~11月の登録累計は1万835台で、前年に比べて38%もの大幅なマイナス。月平均985台だが、ここ数カ月は500台以下とさらに半減している。発売当初は、3カ月での受注累計が1万2000台と好調な滑り出しだった。それが2018年に続き、今年になってからさらに激減状況になっている。
販売不振の要因として挙げられるのは、「メーカーの本田技研が、当初から商品ラインアップ作りにあまり力を入れていなかったスタンスがまず第1にある」(首都圏ホンダカーズ店営業担当者)に起因しているとの見方がある。
ハッチバック、セダンともグレードはFF・1.5Lターボエンジン搭載で標準の1タイプのみでハッチバックはCVT、6MT、セダンはCVTのみと極端に少ないラインアップになっているため、選択幅は限られる。
またハッチバックとタイプRは輸入モデルであるため、生産枠が限られ、注文がある程度まとまった段階で組み立て発注するので、3カ月にいっぺんくらいしか船積みしないといった取り組みの仕方をしている。セダンは国内産だが受注台数が少ないので、組み立てラインは動いたり止まったりしている。
ライバル他社の商品ラインアップに比べると、シビックの飛びぬけた戦力の弱さがわかる。
トヨタ「カローラ」はハッチバックのスポーツが12グレード、セダンは10グレードでエンジンは1.2Lターボ、1.8Lハイブリッドを搭載。マツダ「マツダ3」はファストバックが33グレード、セダンが15グレードで、2Lガソリン、1.8Lクリーンディーゼル、2LスカイアクティブX、スバル「インプレッサ」はスポーツが8グレード、セダンのG4が8グレード、1.6&2Lの各ワイドバリエーションとなっている。
駆動方式も2WD、4WDの両方を用意しているが、シビックは2WDのみ。これではユーザーの選択しも限られ、売れ行き不振になるのは当然といえるかも知れない。
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