ついに「マッチ」が初代マーチを手に入れた!!! 日産自動車大学校生がレストア挑戦 MT換装で激シブマーチはどう変わる?

ついに「マッチ」が初代マーチを手に入れた!!! 日産自動車大学校生がレストア挑戦 MT換装で激シブマーチはどう変わる?

 KONDOレーシングを率いる近藤真彦さんが、自身がイメージキャラクターを勤めた「初代マーチ」を手に入れたぞ。そのレストアを日産自動車大学校が担当して、バリバリになったマーチをマッチが乗ってみんなハッピーになるというこの企画。ベストカー独占でお届けします!!!

文/写真:ベストカーWeb編集長 塩川雅人

【画像ギャラリー】MTとエンジン換装は茨の道!! 学生が奮闘する「マッチのマーチ」をみてよ(7枚)画像ギャラリー

思い出のマッチのマーチにもう一度

レースチームオーナーとして、そして芸能活動も両立する近藤監督。還暦を迎えて懐かしの愛車に乗りたくなったという
レースチームオーナーとして、そして芸能活動も両立する近藤監督。還暦を迎えて懐かしの愛車に乗りたくなったという

 近藤真彦さんが率いるKONDOレーシング。スーパーGT、スーパーフォーミュラ、ニュルブルクリンク24時間レースなどへの参戦をしているチームだ。当然ながら芸能活動もモータースポーツも全力投球。そんななか「俺さ、マーチが欲しいんだよね」と2024年にベストカーの取材に応えている。

 そのマーチとは皆さんお馴染み「マッチのマーチ」。初代となる日産マーチだが、還暦を超えて(全然見えないが)、原点とも言うべくマーチに乗ってみたいという願いがわいてきたという。

 その後、ベストカーでの公募などを経てチームのメカニックさんが見つけてきた個体を購入。販売店も「急にチームの関係者さんから問い合わせをいただいて。”そのマーチをうちの代表が買いますので”と。その代表者さんが近藤さんと聞いて、いや、まさかね……って思ったらそのまさかでした。こんなことあるんですね(笑)」と語るほど即決での購入だったという。

 しかしマッチさんには懸念事項もあった。実は本当に乗りたかったのは1LのMT車。今回手に入れたのはAT車だった。しかしこの手の車両は個体数も少なく、あれこれ吟味している時間がないのもクルマ好きのマッチさんはわかっていた。

 そしてまさかの中古車店が部品どりMT車を見つけ出し購入することに成功。あとはどうやってマーチを仕立てていくか考えていたマッチさんだが、そこに妙案が突然舞い込んでくる。

「そのマーチ、僕たちでレストアさせてくれませんか?」

このプロジェクトのスタートを飾ったのは監督に提案した栃木校から。みんないい顔してるぜ
このプロジェクトのスタートを飾ったのは監督に提案した栃木校から。みんないい顔してるぜ

 実はベストカーWebは日産自動車大学校と日産が参加する「日産メカニックチャレンジ」をサポートしている。これはスーパーGTのKONDOレーシングGT300クラスの56号車に、メカニックなどさまざまな職域で学生が体験を積むというもの。

 実はこのプロジェクトには「広報」という領域がある。学生がレポートを書き、動画を撮り、その活動内容を報告する。取材とはなにか、広報活動とはどうすべきかなど、実はこっそりベストカーWebがサポートしているってわけ。

 その広報活動のなかには近藤監督への15分インタビューが含まれる。昨年のモビリティリゾートもてぎで、日産栃木自動車大学校の学生がインタビューに臨む際に著者がボソッと口にしたことあある。「監督のマーチをみんなで直したら楽しそうだけどね。

 そしていよいよ迎えた監督インタビューで……このあとはぜひYouTube「ベストカーチャンネル」でみてほしい!!!

経年車に手を焼きつつ、先生からの技術継承を受ける

割りピンが抜けない!! 実習車の抜けやすいそれとは異なり、実際の車両では大きな試練も訪れる
割りピンが抜けない!! 実習車の抜けやすいそれとは異なり、実際の車両では大きな試練も訪れる

 そしていよいよレストアに入る!! まず日産自動車大学校京都校で試走をしたのだが、不具合箇所はいくつかある。なんたって40年前の車両だからそれこそ整備では済まず、レストアになる領域なのだ。

 KONDOレーシングの葉山秀樹さん、そして僭越ながら著者も試乗をさせていただいたがやはり緩さを感じるものの全体的に程度は良好。ただエンジンは部品どり車のほうがMT用に育っているし、トランスミッションごと移行してしまおうという方向性が決まった。

 そして4月。車両は日産栃木自動車大学校へ陸送され、トランスミッションとエンジンを下ろす作業が行われた。ちなみに栃木、横浜、愛知、京都、愛媛の全国5校の日産自動車大学校を巡るので、その作業スタートは栃木からになった。

 作業は午前9時にスタート。国家二級整備士資格を持つ学生たちだが実戦経験は少ない。しかも実習車ではなくマッチの愛車。しかも代替部品もないし、失敗が許されないというプレッシャーも。とはいえサポートする先生方は元ディーラーメカニックで、現役時代を思い出し「このマーチはたくさん点検したなぁ」とニヤニヤしているから腕に覚えがあるのはたしか。

 車両をどんどんバラしていく学生たち。しかしハブベアリングの割ピンの脱着に苦労していると、先生が「これはペンチじゃないのよ、ニッパー使うの。現場出ないと学べないわねこれは。あはは」と技術伝承をしている!!!

 いつもは口うるさい先生かもしれないが、あの時ばかりは学生たちの目にはスーパーマンに見えただろう(メカニックかっこよすぎるぞ)。

 お昼休みを跨いで午後4時。ついにエンジンとトランスミッションが車両から降りたぞ。なかなか難しいタスクだったが8人の学生(と先生3人のサポート)がススっとやってのけた。

 日産マイクラ(欧州版マーチ)は日本に入ってこなそうだけど、日本にはマッチのマーチがあるぜ!!!  まだまだこのマーチのレストアは続くぞ〜。ということで今後もお楽しみに!!!

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