じつは不遇!? 超巨大プレミアムワゴンのトヨタ グランエースがひっそり生産終了していた件 

じつは不遇!? 超巨大プレミアムワゴンのトヨタ グランエースがひっそり生産終了していた件 

 アルファード/ヴェルファイア並みのエグゼクティブパワーシートを備えつつ、大型のスーツケースも同時に積載できるほどの広大なスペースを持つプレミアムワゴンのグランエースは、2019年12月に発売されたモデルだが、2024年4月をもって生産を終了した。現時点では直接的な後継車種は存在せず、近しいキャラクターを持つアルファード/ヴェルファイアがその穴を埋めることになると思われるが、なぜグランエースはひっそりと姿を消すことになってしまったのだろうか。

文:小鮒 康一/画像:トヨタ、ベストカーWeb編集部

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大きすぎるボディが難点?

サイズはアルヴェル超えでも乗り心地や静粛性ではちょっと及ばなかった?
サイズはアルヴェル超えでも乗り心地や静粛性ではちょっと及ばなかった?

 グランエースのボディサイズはトヨタの乗用車の中では最大となるもので、全長5300mm×全幅1970mm×全高1990mmというサイズはアルヴェルを大きく上回るサイズとなっている。

 FRレイアウトを採用するため、最小回転半径こそ5.6mとボディサイズからすれば小回りも可能となっているが、ボディサイズの大きさは如何ともし難く、駐車場探しにも難儀するサイズと言えるだろう。

 また642万1000~672万1000円(最終型)とアルヴェルに匹敵する高額車であり、前述したように立派な後席シートなど、ラグジュアリーな雰囲気を持ってはいるものの、実のところベースとなっているのは海外で販売されている300系ハイエースであり、乗り心地や静粛性はがんばってはいるものの、アルヴェルには及ばないというのが正直なところなのだ。

ちょっとタイミングが悪かったか?

各地にあふれる訪日客を運んでくれる活躍が見込まれていたが……
各地にあふれる訪日客を運んでくれる活躍が見込まれていたが……

 そんなグランエースはそもそも一般のユーザーよりも企業の役員や高級ホテルの宿泊客など、VIPの送迎車として使われることを想定しており、発売直後に新型コロナウイルス感染症が蔓延し、海外からの来客はおろか国内でも移動を制限されるという事態に陥ってしまったのが最大の誤算と言えるだろう。

 アフターパーツメーカーなども久々の新規車種ということでエアロパーツやローダウン用の足回り、そして6穴 P.C.D.130という特殊なピッチに合うアルミホイールなどをリリースしていたが、アルヴェルのようにカスタマイズベースとして盛り上がることは叶わず、今回の生産終了に繋がってしまった。

 現在は再びインバウンド客も増加傾向にあり、もう少し復活のタイミングが早ければグランエースが延命される可能性もあったように思えるが、如何せんタイミングが悪すぎた悲運のモデルということになるだろう。

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