日本におけるミニバンの先駆け的存在のひとつとも言える三菱 シャリオ。しかしシャリオの驚くべきポイントは実用性的な部分だけではなかった! なんと2代目はファミリーカーのコンセプトを守りながら、世界最速の7人乗りという称号を持つとんでもないヤツだったのだ!
文:小鮒 康一/画像:三菱、ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】創業守成? 2代目のわりにケッコー攻めてたよ…… 三菱 シャリオからグランディスへ 三菱ミニバンを支えたシャリオの系譜(6枚)画像ギャラリー三菱らしいグレードを備えたミニバン
三菱シャリオ、現在はその名前は途切れてしまったが、1983年2月に初代モデルが登場した3列シートミニバンである。1982年8月に発売された日産プレーリーと並び、現在にも続く乗用車をベースとしたフロントエンジン3列シートミニバンの元祖としても知られるモデルだ。
ただプレーリーがその後も実用的なミニバンとして進化を続け、プレーリーリバティ→リバティへと正常進化をしていったのに対し、シャリオは2代目モデルの時代にある意味“三菱らしい”グレードを追加したのである。
3列シートにフルタイム4WDとターボエンジンを搭載!
その三菱らしいグレードとは1995年5月に追加設定された「リゾートランナーGT」というもので、その名の通り、さまざまなリゾート地へ向かうためのグランドツーリングモデルとなっていた。
ただその手法が当時の三菱らしいところで、心臓部には当時のランサーエボリューションにも搭載されていた直列4気筒2Lインタークーラーターボの4G63型を搭載し、フルタイム4WDで四輪全てを駆動させるというもの。
ある意味全天候型のリゾートエクスプレスとも言える存在であったのは言うまでもないが、さらに当時の三菱らしい部分としてはイージードライブが可能な4速ATのほか、3ペダルの5速MTも用意していたという点だろう。
心臓部の4G63ターボはランサーエボリューションのように前置きインタークーラーではなかったため、最高出力は230PS(AT車は220PS)とややマイルドにされていたが、楽し気なファミリーが乗る3列シートミニバンとしては非常に硬派な走りのグレードだったことは言うまでもない。
ファミリーカーのポジションは崩さず
ただ表向きは目的地まで早く快適にたどり着くための“リゾートランナー”であるため、フロントには大型サンルーフが標準装備となり、フォグランプやルーフレールも備えるなど、あくまでファミリーカーであることを主張していた。
しかし翌96年5月には3列目シートを廃して5人乗りとすることで20kgの軽量化を実現した「リゾートランナーGT-V」を追加。シャリオ自体に5人乗り仕様の追加を求める声が多かったのかと思いきや、その他のグレードは3列7人乗り仕様のままだったのだから、三菱の狙いは明白だったと言えるだろう。
そんなシャリオだったが、1997年10月に登場した3代目モデルでは「シャリオグランディス」とサブネームが付けられ、当時人気を博していたホンダ オデッセイに対抗するモデルに一変すると、ホットなターボモデルは失われて高級路線となってしまったのだった。









コメント
コメントの使い方