6月16日に発行された官報で、トヨタ自動車系でサブスクリプション(定額利用)サービスを手掛けるKINTOが、創業以来初となる黒字に着地したことが発表された。今まで黒字じゃなかったことに驚く読者もいると思うが、KINTOの最新の決算情報と、さまざまな取り組みやサービスについて注目する!
文:ベストカーWeb編集部/画像:KINTO、ベストカーWeb
創業以来初となる7億9500万円の黒字に!
2019年7月、「クルマのサブスクリプション(定額制)」の全国展開を始めたKINTO。欲しいクルマをオンラインで契約し、一定期間、定額料金で利用できるサービスだ。定額料金には車両代、選択したオプション代、税金、任意保険、メンテンナンス費、購入諸費用のすべてが含まれていて、車両の維持費もわかりやすい。クルマに詳しくない人や、維持するわずらわしさをKINTOが一手に引き受けてくれるということで人気となっている。
そんなKINTOだが、6月16日に公示された決算は以下のような内容となった。
売上高:587億700万円
売上総利益:68億円
営業利益:7億3500万円
経常利益:8億300万円
当期純利益:7億9500万円
創業した翌年の2020年から2022年は、毎年50億円を超える赤字で、2023年も40億円の赤字を計上していたが、2024年にトヨタの新型車投入が相次ぎ、サブスクリプション(定額課金)サービスの利用者数が急増し、収益性も改善したことで、売上高が前の期(198億円)の約2倍となる417億円となり、赤字は5億8900万円の縮小された。
KINTOは年々取り扱い車種を増やしており、トヨタ車とレクサス車のラインナップ拡充だけでなく、2024年5月からはスバル車もその対象に加えた。さらに、長い納期のかかる人気車を、KINTOならより早く手に入れられるなど、残価設定ローンや通常ローンとは異なる魅力を、消費者にアピール。これにより、2024年7月末時点でのKINTOの累計申し込み数が12万5000件と大幅増となった。
そんな好調な流れは今年も続き、売上高が前の期の1.4倍となる587億円、純利益は7億9500万円の黒字に着地した。
サブスク以外にも魅力あるサービスを展開!
黒字化を果たしたKINTOだが、その好調を支えるのは、サブスクリプションサービスだけではない。
サブスクであることは共通だが、「進化」と「見守り」の機能を加えることで、クルマの価値をできるだけ高く維持することができる「KINTO Unlimited(アンリミテッド)」。
すぐ乗り出したい、契約期間内に手放したり、乗り換えたいという人に向けた「KINTO ONE(中古車)」。
トヨタ自動車と新明工業のレストアで蘇る名車を、特選旧車レンタカーとして貸し出している「Vintage Club by KINTO」。
KINTO契約車だけでなく購入済みのオーナーカーも対象とした、クルマの基本性能を向上させる安全機能などを後付けする”アップグレード”、経年劣化で傷んだ内外装のリフレッシュやアイテム交換などを行う”リフォーム”、運転データなどをもとに一人ひとりの個性や好みに合わせてクルマの設定を最適化する”パーソナライズ”といった、買ったあともクルマの価値を落とさないためのサービス「KINTO FACTORY(ファクトリー)」を展開している。
特にこの「KINTO FACTORY」が注目で、30系アルファード/ヴェルファイアに設定した「パワースライドドア速度アップ」や、レクサスNXのイルミネーションアップグレード(LEDを高輝度タイプに交換)といったメニューが大きな反響を呼んでいる。
さらなる成長のために、KINTOが今後どのような手を打ってくるのか、注目が集まる。












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