初代GTIがホットハッチの先駆とされるなど、ホットモデルとは何かと縁の深いフォルクスワーゲン ゴルフ。8代目後期型となる現行型に、このたびハイパフォーマンスモデルの「R」が登場。開催された試乗会に松田秀士氏が参加した!!
※本稿は2025年5月のものです
文:松田秀士/写真:奥隈圭之、VW ほか
初出:『ベストカー』2025年6月26日号
ゴルフR&ゴルフRヴァリアントに試乗!
待ちに待ったゴルフR&Rヴァリアントの試乗会が、ポルシェエクスペリエンスセンター(千葉県)で開催された。試乗メニューも盛りだくさんで、メインのハンドリングトラック走行以外にスラローム、ドリフトまで!
エンジンは333ps/42.8kgmに進化。これ、シビックタイプRとほぼ同じ。ローンチコントロールを使えば0-100km/h加速は4.6秒!
インテリアはRロゴの入った専用スポーツシートに、+40万円で手に入るアドバンスモデルではナッパレザーなど高級車の雰囲気だ。
そのアドバンスモデルには、細いスポークが特徴で20%軽量(1本8kg)の19インチアルミホイールと、減衰力可変ダンパーのDCCが装備される。この価格差なら、筆者なら迷わずアドバンス買います。
今回の試乗ではウエット定常円でのドリフトもメニューにあり、自由自在なコントロール性を体感した。
歴代ゴルフRは4MOTIONと呼ばれる4WDなのだが、8.5RではR-Performanceトルクベクタリングが投入されている。
このシステムはセンターデフを持たず、エンジン→7速DSG→ストレートにリアデフへと繋げるもので、リアデフ内左右に配した湿式多版クラッチを電子制御して、左右後輪のトルク配分を0〜100に可変させる。
前後配分は最大50:50で、ストレスのない燃費走行では100:0のFFにもなるという斬新なもの。
これでアタックするドリフトはカウンターを当てなくとも深いスリップアングルを維持するまさにラリー四駆のような豪快なもの。
その勢いで次にハンドリングトラックを攻める。
実は比較試乗でGTIでも攻めたのだが、その差は明らかで、まずRは操舵角が少ない。左右後輪のトルクベクタリングにより、後輪のコーナー外輪により大きなトルクが掛かっているのだ。紙コップを倒して転がす感じ。だからコーナリングスピードがより高い。
タイヤは高性能なBSポテンザS005で、両車とも同じ。名物ニュルブルクリンク北コースで、トルクベクタリングがあるとなしではラップタイムで1周約12秒もの差があるとのこと。
もうひとつ、GTIとの比較では、レーシングカー並みにセミフローティングされたドリルドディスクブレーキによる剛性のあるペダルタッチと、立ち上がりの強い減速Gがスポーツドライビングを安全にエンジョイできる強い味方となっていた。
DCCのコンフォートモードでは家族も納得の乗り心地を実現しながら、腰のあるダンピングがコーナリングも楽しめるもの。新型Rはヤバい!


















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