たびたび俎上にのぼるガソリンの暫定税率。課税根拠はとっくの昔になくなり、「いつまで『暫定』を払い続けるのか!」と憤る人も多い。おなじみの自動車評論家陣にも共に憤慨してもらおうと話題を振ると、なにやら予想外の雲行きに!?
※本稿は2025年6月のものです
文:国沢光宏、鈴木直也、渡辺陽一郎/協力:永田恵一/写真:ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2025年7月10日号
ガソリンの暫定税率はどうなる!?
多くの自動車ユーザーにとってはガソリン価格の高騰も切実な問題。法案に上がっているガソリン税の暫定税率が廃止されれば安くなるが、実現は可能か?
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ベストカー:このテーマ、国沢さんからご意見お願いします。
国沢:暫定税率の廃止は無理に決まってるでしょう(笑)。廃止に反対する人が多過ぎるし、今のガソリン価格抑制のための補助金だってどこに行ってたのかわからない。何よりガソリンの関係団体の影響力が強い。
鈴木:ただひとつ言えるのは、有料道路料金との折り合いもあるにせよ、消費者が払うガソリン代だけを見れば日本は世界的に見ても安い部類なのは事実。
国沢:そのとおりでヨーロッパはリッター300円級、アメリカは大幅に安いけど走行距離が長いから燃料費はかさむよね。新興国だって収入と燃費を考えたら日本よりガソリン代が安いとは言いにくい。
特にハイブリッドカーの普及でリッター20km走るクルマが珍しくない日本は、昔と比べたら20年前とガソリン代は変わらないか、むしろ安い人が多いんじゃないかな。俺なんかガソリンが160円だった学生時代にリッター3kmの初代RX-7に乗ってたから、ガソリン価格は気にならない。
渡辺:昔はリッター10km走れば燃費は合格という時代も長かった。
国沢:だからガソリン価格の高騰を嘆くよりも、次の愛車には燃費のいいハイブリッドを選んだり、条件が許せばさらに移動コストが安いBEVに乗り換えるとかして、石油業界に意趣返しするのが一番かと。
渡辺:一応暫定税率について言っておくと、暫定税率はガソリン税の中に道路特定財源が含まれている時代のもので、道路特定財源は2007年に廃止になって、現在は「当分の間税率」という屁理屈みたいな名前で残って、課税根拠がなくなってるんですよ……。
国沢:渡辺さん、暫定税率に関してはおっしゃるとおりですが、暫定税率廃止を進めるなら自動車のことを考えてくれる議員さんに投票するのが早道だと思います。

















コメント
コメントの使い方海外比較で日本のガソリン価格は十分安いので、感情論じゃなく正当に評価することが必要でしょう。
アレコレ手を回ししっかり安くキープしてるのに文句ばかり言われたら、誰だってそれ以上の努力しなくなります
仕事頑張っている貴方に、努力不足と身内からコケにされ無能・悪者扱いまでされたら、そんな身内のためにもっと頑張ろうとはならないでしょ?
希望を叶えたいなら、流石に国民は対する姿勢を考え直した方がいいです。