EVのリセール価値を左右する!? バッテリーの劣化診断を活用した共同実証実験開始!

EVのリセール価値を左右する!? バッテリーの劣化診断を活用した共同実証実験開始!

 EVの「バッテリー劣化」がもしわかりやすいカタチで可視化されたら? 中古EVの適正価値評価に向けて新たな実証実験が始まります。はたしてバッテリー状態が査定額にどう影響するのか!?

文:ベストカーWeb編集部/画像:PRTimes、Adobe Stock(トビラ写真=bephoto@Adobe Stock)

バッテリーに新たな評価基準を! 

バッテリーの状態が可視化されるなら売り手も買い手もおおいに安心できる場面が増えるだろう
バッテリーの状態が可視化されるなら売り手も買い手もおおいに安心できる場面が増えるだろう

 リースやレンタカーでの利用を終えた電気自動車(EV)を対象に、EVバッテリーの劣化診断システムを活用した実証実験を2025年7月より3社共同で開始しました。

 本共同実験に携わるのはオリックス自動車株式会社、EVolity株式会社、パナソニック ホールディングス株式会社の3社。目的はEVの「残存価値」を適切に可視化し、中古EV市場の信頼性と流通価値を高めることにあります。

 バッテリーの診断にはEVolityが提供するEVバッテリー劣化診断システムを利用。そして診断書にはパナソニック ホールディングスが15万台以上のEV分析データをもとに独自に開発した「電池長寿命グレード」が記載されます。

 こうした過程を経たのち、オリックス自動車の中古車入札会に診断書を付与したEVを出品し、入札価格(残存価値)への影響を検証します。

バッテリー状態がわかれば、EVの価値も上がる?

EVが増えてくるからこそこれまでの中古車判断のままでいいというわけにはいかない(naka@Adobe Stock)
EVが増えてくるからこそこれまでの中古車判断のままでいいというわけにはいかない(naka@Adobe Stock)

 これまで、EVはバッテリー劣化の個体差が大きいため残価設定が低くなりがちでした。今回の診断導入によって、車両ごとにバッテリーの実態が可視化されれば、状態の良いEVは高く売却できるという健全な市場形成も可能になることが予想されます。

 また、購入側も診断書を確認することで、「安心して中古EVを選べる」ようになるため、取引の信頼性が大幅に向上することが期待されます。

 従来の中古車評価においては、主に「走行距離」「年式」「外装内装の状態」などが価値を決める要素でした。しかしEVにおいては、「バッテリーの劣化具合」でも価値判断されるのも当然の流れ。

 今後EVが増加していくことが予想される状況では、バッテリーの状態=クルマの健康状態を知る指標になってくるのではないでしょうか。

 この実証実験が順調に進めば、今後はバッテリー診断が中古EV取引のスタンダードとなる可能性も高く、ひいてはEVリースの残価設定にも影響を及ぼすと考えられます。

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