テスラのイーロン・マスク率いる「スペースX」など、民間企業によるロケット開発が世界規模で盛んになっている。2025年6月、北海道広尾郡大樹町にて、ホンダが再使用型ロケットの離着陸実験を成功させた。ホンダが宇宙を飛ぶ!?
※本稿は2025年7月のものです
文:角田伸幸/写真:ホンダ
初出:『ベストカー』2025年8月10日号
いつの日かホンダが宇宙へ!?
世界各国で宇宙ビジネスへの関心が高まり、民間企業の参入も相次いでいるが、課題のひとつとなるのが膨大なコストだ。
そこで注目されているのがロケットの再利用。2024年10月、米スペースXが巨大なブースター(推進装置)を発射台に帰還させる試験に成功したが、YouTubeの動画に度肝を抜かれた人も多いはず。
この技術、海外が先行しているんだろうなあと思ったら違った。なんと我らがホンダが、類似試験に成功したのだ。
ホンダは「時間、場所、能力の制約から人々を解放し、生活を豊かにする」という壮大な目標を掲げ、宇宙領域への挑戦を続けている。その原動力は、若手技術者たちの「ロケットを作りたい」という熱い夢と、ホンダが長年培ってきた燃焼・制御技術といったコア技術だ。
特に注目すべきは、彼らが目指す「再使用型ロケット」の開発。これは、膨大なコスト課題に対し、サステナブルな宇宙輸送を実現するためのホンダからの回答といえる。
2025年6月17日、ついにその実力を見せつける日が来た。自社開発の再使用型ロケット実験機を用いて、高度300mまで上昇し、再び着陸するという実験に成功したのだ。
この実験では、上昇・下降時の機体安定性や着陸機能といった重要要素技術を実証。目標どおりの離着陸挙動を実現し、確かなデータも取得したという。
そもそもホンダは、創業者である本田宗一郎が、挑戦心の塊のような人物だった。今回の実験はまさに、そのホンダイズムを世界に示した瞬間といえる。路上だけでなく宇宙空間でも、HONDAの文字が躍る日が来るかもしれない。







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