「ホテルの住所で免許が取れる」「試験は10問だけ」という甘すぎた制度が、2025年10月1日からようやく厳格化されました。外国の運転免許証を日本の免許証に切り替える、いわゆる「外免切替」。もともとは海外で運転免許を取得した日本人が、帰国後に国内でクルマを運転できるようにするための制度でしたが、昨今は訪日外国人による利用が多くなっており、本来の目的とは違った利用が増えたことで、交通ルールの理解不足や制度の「抜け道」が問題視されてきました。
はたして新制度は、外国人ドライバーの安全運転にどこまでつながるのか。実施される新制度の内容と今後期待したいことについて考えてみましょう。
文:yuko/アイキャッチ画像:Adobe Stock_ponta1414/写真:Adobe Stock、写真AC
【画像ギャラリー】外国人の「免許切り替え」ハードルやっと上昇!! 遅すぎ? でもやらないよりはずっとマシ??(8枚)画像ギャラリー外国人ドライバー急増、事故件数も右肩上がり
過去最高のペースで来日する外国人が増えるなか(2024年の訪日外国人数は3687万人)、日本国内で運転する外国人の数も右肩上がりに増えています。内閣府の交通安全白書(令和7年版)によると、日本の運転免許を保有する外国人の数は、2024年で125万4522人。10年前の2015年は80万403人だったので、この10年で約56%も増加しています。
このような状況の中で懸念されるのは交通事故の増加。外国人運転者による交通事故件数(一般原付以上・第一当事者)は、2024年は7,286件。交通事故全体(29万895件、2024年)の約3%を占めるなど、無視できない割合となってきています。
外国の人が日本でクルマを運転するためには、
1.日本の運転免許証
2. 1949年ジュネーブ条約に基づく国際運転免許証
3. 外国の運転免許証(内閣府令で定められた者が作成した日本語訳付き)
のいずれかが必要。このうち3の外国の運転免許証をもつ人は、国によっては、日本の運転免許に切り替える(いわゆる外免切替の)手続きをする必要があります。
「ホテル住所OK」「試験は10問だけ」──甘すぎた旧制度の実態
この外免切替の手続きについては、(冒頭でも触れたように)かねてより問題視されており、制度上は滞在3か月以上でなければ取得できないはずが、滞在先のホテルなどから「一時滞在証明書」を発行してもらうことで、そこを住所として免許を所得することができるケースもあったほか、学科試験はわずか10問(2択式・7問正解で合格)。内容も非常に簡単で「常識問題レベル」と指摘されていました。
外免切替は、外国免許を取得した国の運転免許制度が「日本と同等」と認められる場合は、学科・技能試験が免除されて日本の免許を取得することができます。それは裏を返せば、学科試験が必要な外国人には、試験を通じてしっかりと日本の交通ルールを知ってもらう必要があるということになり、その学科試験が簡単であることは、日本の交通ルールをちゃんと把握してもらおうとしているのか非常に疑問に感じます。
ホテルの住所で取得可能であることも、居住実態の不明瞭さや運転免許制度の信頼性低下などが懸念され、看過できない課題。制度の乱用・抜け穴として活用されてしまうおそれもあります。
そんな中、政府はようやく2025年10月1日から外免切替に関する手続等を厳格化。住所確認には原則として住民票の写しの提出を求め、学科試験も50問に増やし、合格に必要な正解率も90%(45問正解)と、普通免許試験の合格ライン(90点)と同水準にまで引き上げられました。











コメント
コメントの使い方今まで公明党が邪魔してやれなかったんでしょ。やっと初めて、機会が訪れた
野党が政権とれば何時でも止められたのに、民主によるその唯一の機会で、ダメな所は全部引き継ぎつつ、マイナカードとか在日とか原発処理とか、より悪い部分を大量に生んだだけで終わった