クルマの装備のなかには、環境への配慮のために採用され普及していくものがある。広い意味ではハイブリッドシステムもその一つだが、「エコ」という大義があっても全く浸透しないものもある。そう、「アイドリングストップ」だ!!
※本稿は2025年10月のものです
文:吉川賢一/写真:トヨタ、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2025年11月10日号
浸透しなかった「エコ風」装備
低燃費技術(=CO2排出低減)の方策のひとつとして、2000年頃から普及し始めた純ガソリン車のアイドリングストップ機構。
しかし、2020年頃から流れが変わってきており、アイドリングストップを装着しないクルマも多い。
トヨタを例にとっても、アイドリングストップ非装着車はどんどん名前が挙がる。ヤリス、ヤリスクロス、シエンタ、RAV4、ハリアー、ランクル300、ランクル70、ランクル250、アルファード……など(いずれも純ガソリンエンジン車)。
アイドリングストップに関しては「信号待ちからの発進で出遅れる」「一部の車種ではエアコン機能が送風だけになる」「アイドリングストップからきちんと復帰するのか不安」など、当初から煩わしさや不安を嘆く声が少なくなかった。
さらに、環境負荷軽減の面でも正直メリットを感じにくい。アイドリングストップによって燃料消費はわずかながら削減できるものの、アイドリングストップ車用のバッテリーは寿命が短い。頻繁に交換する必要もあるので、かえって環境負荷が大きい可能性があるのも、マイナス要素といえる。
おそらくこのまま、純ガソリン車の衰退とともにアイドリングストップは消えていく運命と思われる。
●最後にひとこと
画期的だが、エコ貢献度を煩わしさが上回ったカタチか!?












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