ヤマハはミドルクラススーパースポーツ「YZF-R7」が、デビュー以来初めての大きなモデルチェンジを受けた。6軸IMUとヤマハライドコントロール(YRC)を新搭載し、先進電子制御を全面的に導入。フロントマスクもデザインが見直されている。海外での発売は2026年4月だ!
R1直系の電子制御群を搭載、ピュアスポーツが先端電制で武装
2022年2月から国内販売されている、排気量689ccのミドルスーパースポーツ・YZF-R7。「MT-07」と同系の689cc並列2気筒CP2エンジンを搭載、アシストスリッパークラッチや倒立フォーク、ラジアルマウントキャリパーといったSSらしい装備を備え、軽量なミドルクラスらしいスポーツ性能がウリだ。それでいて先端モデルで採用される電子制御類はほぼ備えていないシンプルさも特徴だった。
今回、開催中のミラノショー2025にて登場した新型YZF-R7は、心臓部こそ従来と同じだが、これまでになかった電子制御をフル搭載するという大きなアップデートを受けた。新採用されるのはヤマハチップ制御スロットル(Y-CCT)、スロットル開度をECUが電子的に制御することで、全回転域でよりスムーズなトルク特性を発揮する電子制御スロットル機構。YZF-R1のために開発された6軸IMUと組み合わせることで、トラクションコントロール(TCS)、スライドコントロール(SCS)、ブレーキコントロール(BC)、リフトコントロール(LIF)、ローンチコントロール(LC)など多彩な電子アシストを統合管理する。さらにクルーズコントロールも使用でき、公道での使い勝手も引き上げられた。
さらに、エンジンブレーキマネジメント(EBM)やバックスリップレギュレーター(BSR)も装備。サーキットでの減速時に発生する後輪のロックを抑え、より安定したコーナリングを可能にする。これらのシステムは3段階設定に加え、完全オフも選択可能。経験の浅いライダーから上級者まで、走行シーンに合わせた制御が選べる点が特徴だ。またヤマハライドコントロール(YRC)プリセットには「スポーツ」「ストリート」「レイン」の3モードがあり、さらに2つのカスタムモードを作成できる。専用アプリ「MyRide」から設定を変更し、最大40種類まで保存可能。走行中のモード切り替えも容易になった。
電スロ採用の恩恵ともいえる第3世代クイックシフトシステム(QSS)は、ギアの噛み合い構造を見直すことでシフトフィールを改善。スロットルを開けたままのアップシフトや、減速中のダウンシフトをスムーズに行える両方向だ。これにより、サーキットでもストリートでもストレスのない変速を実現している。
剛性を高めた新フレーム! 70周年カラーは「YZF」シリーズおなじみの赤白だ
シャーシはフルリニューアルされ、パイプレイアウトや補強材の配置を最適化。ねじり・縦・横すべての剛性を高めつつ、重量増を抑えた。新設計のトリプルクランプやアルミピストンロッド採用の41mm倒立フォークにより、350gの軽量化と俊敏なハンドリングを実現。サスペンションは前後ともプリロード、リバウンド、コンプレッションの調整に対応する。
ライディングポジションは、シート高を5mm低い830mmとし、タンク形状も改良。体重移動の自由度を高め、コーナリング時のコントロール性を向上。5インチのフルカラーTFTディスプレイは4種類のテーマを持ち、専用トラックモードではラップタイマー表示にも対応。新ハンドルスイッチはナビ操作やスマートフォン通知、クルーズコントロールの設定を直感的に行える。急減速時に自動点滅する緊急停止信号(ESS)も装備し、安全性を向上させた。スマートフォンアプリ「Y-TRAC Rev」により、走行データの記録や分析も可能。リーン角やスロットル開度、ラップタイムなどを記録でき、外付けGPSユニット「Garmin GLO2」にも対応する。
ヤマハ発動機創立70周年を記念し、限定仕様の「70th Anniversaryカラー」も設定。白と赤を基調にした往年のレーシングカラーで、1999年のYZF-R7を想起させるデザインだ。標準カラーは「アイコンパフォーマンス」と「ミッドナイトブラック」を設定する。
気になる発売時期は欧州では2026年4月が予定されている。日本導入はそれ以降とみられるが、価格等の詳報に期待だ。
詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/motorcycle/498516/
2026年新型「YZF-R7」は電スロ&6軸IMU搭載して超パワーアップ! 70周年記念カラーも登場だ【画像ギャラリー】
https://news.webike.net/gallery3/498516/498529/







コメント
コメントの使い方