大型SCの駐車場にクルマを停め、買い物を終えて戻ってくると、クルマから液体が漏れていてシミになっている。これはよからぬ予兆なのか？ 黒いねっとりしたものならオイル漏れ？ 緑色、無色透明などいろんな液体があるが、はたしてどれが危険でどれが大丈夫なのか、解説していこう。
文：ベストカーWeb編集部／写真：ベストカーWeb編集部、Adobe Stock、写真AC
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【色付き】緑・赤・青の液体はクーラント液の可能性大
エンジンが搭載されているフロントボンネット下やフロントグリルあたりから、緑色や赤色、青色の液体が漏れていたら、それはエンジンの冷却水であるクーラント液です。
クーラント液の成分は90～95％がエチレングリコールで、残りは防錆剤や水です。色が付けられているのは、他の液体と識別するための染料が入っているからです。
もしクーラント液が漏れていたら、すぐにエンジンルーム内にあるリザーバータンクを確認したほうがよいです。ロアレベルを下回っていたら、水温計に注目してください。半分から上（H側）に振れだしたら「オーバーヒート」の可能性が高いです。上限を振り切る前に停車させ、ロードサービスに助けを求めたいところです。
昭和のクルマの場合、真夏の渋滞時などにサーモスタットが故障し、冷却ファンが回らなくなってオーバーヒートし、プシューとラジエータのバルブからクーラント液が噴き出すということも多かったです。
【黒・こげ茶】粘り気のある液体はエンジンオイル
エンジンルームの真下から黒、もしくはこげ茶色の液体が漏れている場合は、エンジンオイルである可能性が高いです。エンジンに付いているオイルゲージでエンジンオイルの残量をチェックしましょう。
駐車場のコンクリート面を見てシミ程度であれば軽微な場合が多いですが、エンジンからの振動、異音、加速性能の低下があったり、オイルの減りが異常に早い場合はクルマを動かさないほうが賢明です。
・エンジンの振動が増えた
・異音がする
・加速が鈍い
・オイルの減りが極端に早い
これらがあれば走行を控え、工場での点検をお薦めします。
エンジンオイル漏れはガスケットの劣化、ドレンボルトの不具合、バルブシールの劣化が原因で起きることが多いです。対処法としては漏れ止め剤の使用、粘度の高いエンジンオイルへの交換、ボルトの締め直しなどがあります。
■主な原因と応急対応
●主な原因
・ガスケットの劣化
・ドレンボルトの不具合
・バルブシールの劣化
●応急対応
・漏れ止め剤の使用
・粘度の高いオイルへの交換
・ボルトの締め直し
厄介なのは外部から分からない内部漏れであるオイル上がり、オイル下がりです。分かりやすく説明すると、バルブシールが劣化して気密性が低下し、ピストンより下のシリンダー側から燃焼室に入り込む（上がる）のがオイル上がりです。
逆にピストンリングの摩耗やシリンダーに傷が付くことで、エンジンオイルがピストンより上の吸気・排気バルブ側から燃焼室に入り込む（下がる）のがオイル下がりです。
いずれもエンジンオイルの減りが早くなったり、エンジンから生じる振動、異音、加速性能の低下といった症状が表れます。基本的には、走行中の白煙はオイル上がり、始動直後やアイドリング中の白煙はオイル下がりです。
■厄介な「オイル上がり／オイル下がり」
どちらも内部からオイルが燃焼室へ入る現象
・走行中の白煙 → オイル上がり
・始動直後・アイドリング中の白煙 → オイル下がり
いずれにしてもエンジンオイル漏れは車検に通らないほか、漏れたオイルに引火して車両火災になる可能性もあり、最悪エンジンが焼き付くこともあるので、早急に整備工場で点検・修理を行ってもらう必要があります。
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