中山間地の小規模農家に向け、ヤンマーが作業性と安全性を徹底強化した新型コンバイン「YH2A/3A」シリーズを2026年1月1日に発売する。傾斜地・狭小地の稲作で求められる“扱いやすさ”と“高能率”を両立し、日常の作業負荷を大きく軽減する最新モデルだ。注目の新機能や改良点を詳しく紹介する。
文:ベストカーWeb編集部/画像:PRTimes
中山間地の“リアルな課題”に応える新型「YH2A/3A」シリーズ
日本の耕地面積の約4割を占める中山間地域では、狭い圃場や急傾斜など、都市部にはない独自の条件で作業が行われている。その中で需要が高いのが、取り回し性の良い2条・3条刈りの小型コンバインだ。
ヤンマーアグリが投入する新型「YH2A/3A」シリーズ(6機種)は、まさにこの“現場感”に寄り添って開発されたモデルである。基本性能と使いやすさを進化させつつ、安全機能やメンテ性を大幅に向上。発売は2026年1月1日で、価格は268万4000円〜534万6000円(税込)。
高能率を実現するロングこぎ胴+新選別機構(YH223A/323A)
中山間地用コンバインといえども妥協のない脱こく性能も重要だ。
「YH223A/323A」では、ロングこぎ胴+送塵口処理胴という組み合わせを採用し、大量の籾を効率よく脱こく。加えて「あざやかロータ」が枝梗をしっかり除去し、揺動板全体へ均一に拡散することで選別精度が向上する。
小型クラスながら清潔な籾処理を可能にし、処理能力・品質ともにワンランク上の仕上がりだ。
オーガシュータで排出作業が劇的ラクに
排出効率は農家の作業時間を左右する重要なポイントだ。
「YH217A/220A/320A」のウイングハンドル仕様には、今回新たにオーガシュータを搭載。運転席から排出口の向きをスイッチで前後調整でき、コンテナやトラックへ均一に排出可能だ。
上位の「YH223A/323A」には従来から搭載されているが、小型モデルにも拡大されたことで、シリーズ全体で作業効率を底上げした格好だ。
新設計「手こぎ安全装置」で巻き込まれ事故を防止
農機における重大事故として多いのが巻き込まれ事故だ。
新型では両手操作方式の手こぎ安全装置を採用。手こぎレバーとスイッチを同時に押している間だけフィードチェーンが駆動するため、作業中の不意な巻き込みを予防できる。
あわせて、
・集中注油装置(作業前の注油を簡略化)
・マルチオープン機構(トラブル時の点検に素早く対応)
など、メンテナンス性を高める装備も充実。日々の作業のストレスや時間ロスを軽減してくれる設計である。
中山間地での“持続可能な稲作”を実現
担い手の高齢化・農地の集約が進む中、中山間地域の農業を維持していくには、作業効率化と安全性の両立が不可欠だ。
「YH2A/3A」シリーズは、
・軽量小型で扱いやすい
・安全装備が標準で強化
・排出作業や脱こく性能を底上げ
といった要素を備え、まさに“現場の困りごと”に直結する改善を積み重ねたモデルといえる。
小規模農家から複数台運用を行う生産者まで、幅広い層にメリットを提供する新世代コンバインとして注目だ。
【画像ギャラリー】ヤンマー新型コンバイン「YH2A/3A」登場! 中山間地で作業効率が大幅向上(6枚)画像ギャラリー








コメント
コメントの使い方