2025年10月に一部改良を受けて登場したトヨタ bZ4X。ラインナップ豊富なトヨタ車の中にあって、やや存在感の薄かったbZ4Xだが、今回の改良で購入候補ランキングのかなり上位に躍り出た。おなじみ伊達軍曹どのが試乗リポート!!
※本稿は2025年12月のものです
文:伊達軍曹/写真:阿部昌也、トヨタ
初出:『ベストカー』2026年1月26日号
「一部改良」とはご謙遜を! 航続距離大幅アップの大改良
●改良を受けたトヨタ bZ4Xの主な変更ポイント
・4WDは342ps、0-100km加速5.1秒
・Z 2WDの最大航続距離は746km
・急速充電時間が最短28分に短縮
・電池制御を高め寒冷地の利便性向上
・価格を従来より50~70万円値下げ
もしも改良型bZ4Xのことを「ハンマーヘッド顔になって、航続距離が伸びただけ」などと思っているとしたら大間違いだ。
このたびの改良は「一部改良」と呼ぶのはもったいないほどの大幅改良であり、その結果としてトヨタ bZ4Xには、「エンジン車以外は買う気ゼロ!」と思っている筆者ですら、激しく食指を動かされた。
進化のポイントは、まずはご承知のとおり航続距離の増加だ。FWD車の場合、これまで559kmだった一充電航続距離は746kmとなり、4WD車も487kmから687kmへと大幅に増加(※いずれもWLTCモード)。
そして加速性能と乗り味も大幅に進化した。4WDモデルはフロント側eAxleの出力を従来型の約2倍とし、システム最高出力を218psから342psに増大させ、0-100km/h加速のタイムも6.9秒から5.1秒に大幅向上しているのだが、それだけの問題ではない。
おそらくは細部から徹底的に見直し、なおかつ煮詰めまくられたことで、FWD車の加速および巡航ならびにコーナリングも、きわめてスムーズでのびやかなものに変化している。
高速道路を巡航し、そして某県内のワインディングを疾走した限りにおいては、改良型トヨタ bZ4Xの走行フィールは、筆者が過去に所有していたアルピナ B3Sのそれに似ている。つまり「スポーティだがしなやかでもある」というアルピナマジックに近い何かを、このトヨタ製BEVから感じるのだ。
そのほかでは回生ブレーキの減速度をパドルシフトで4段階に切り替えられるようになり、内外装が最新のトヨタデザインの文法にのっとったものに変わったというのが、改良型bZ4Xの主な特徴だ。
とにかく延々走り続けていても、航続可能距離を示す数字がなかなか大きくは減らず、アクセルペダルやステアリングホイールの入力に対する反応は、出来のよいスポーティなガソリン車のようにリニアで自然であるため、試乗の途中から筆者は「自分は今、BEVを運転している」ということを半ば忘れてしまったぐらいだ。
そして車両価格も、減税措置と補助金を加味して考えれば、同クラスのハイブリッド車と同等か、もしくは若干安い。
改良型トヨタ bZ4Xは間違いなく「EVかエンジン車か?」的な狭い了見で考えるべき一台ではなく、「パワーユニットの種別はさておき、自分はそもそもどんなSUVが欲しいのか?」という広い視野のなかで、エンジン車ともフラットに比較検討してみるべきモデルである。


















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