ジャパンモビリティショーはコンセプトカーや新型車だけでなく、研究中の技術を発表する場でもある。JMS2025でマツダが発表した二酸化炭素回収技術も、カーボンニュートラル実現への期待の技術だ。実用化への課題はどこにあるのか?
※本稿は2025年12月のものです
文:国沢光宏/写真:マツダ
初出:『ベストカー』2026年1月26日号
走るほどに二酸化炭素を回収!?
マツダがジャパンモビリティショー2025で『モバイルカーボンキャプチャー』という二酸化炭素回収装置を発表し、11月に行われたスーパー耐久レース最終戦で競技車両に実装し試験を始めている。
エンジンから排出される二酸化炭素の20%を車載の装置で回収することを考えているという。さらにマツダは大気中の二酸化炭素を吸収して育つ植物から作ったバイオ燃料を使うことを想定している。
こう書くと、バイオ燃料もカーボンニュートラルだと思うだろうけれど、実際、植物から燃料を作る段階で10%程度の二酸化炭素を排出する。バイオ燃料だけだと90%減ということ。
だったら排気ガス中の二酸化炭素を20%吸収すれば100%を超えるため、むしろ「走れば走るだけ大気中の二酸化炭素は減るでしょう」というのがマツダの主張なのだった。
ホントか? と言えばホントです。ただバイオ燃料は人や家畜の食料にならない藻類などから作ったものしか認められないため(サトウキビやトウモロコシからであれば安く作れる)、コスト的に難しいとされ、実用化のメドがたっていない。
そもそもバイオ燃料を実用化できたなら、前述のとおり二酸化炭素排出量を90%減らせる。バイオ燃料を作る際に出る10%を減らせばいい。
さらに今回マツダが発表した二酸化炭素吸収のメカニズムは、酸素供給装置などに使われている「ゼオライト」を使う。大ざっぱに言えば冷蔵庫で使われている脱臭装置のようなもの。古い古い技術である。
実際、かなり大がかりな装置を作ったとしても、数十km走ったら吸収できなくなってしまう。そうなると熱など加え二酸化炭素を切り離し、どこかで回収しなければならない。
取材してみたらマツダもゼオライトでは使い物にならないと認識しているそうな。当然ながら藻類から作るバイオ燃料の難しさもわかっている。マツダとしては発表した技術だと実用化できないとわかっているのだった。
凄い凄いと言ってるの、技術を理解できないメディアだけ(笑)。マツダは至極冷静である。まぁ「こんなこともできますよ」くらいの提案だと受け止めればいい。
なぜマツダはエンジンにこだわるのか? 超をつけたいほど電気自動車嫌いであり、SKYACTIV用エンジンを推進してきた人見さんが現在進行形でマツダのパワーユニット戦略に強い影響を与えているからだ。エンジンを存続させることばかり考えている。
それはそれでいいけれど、エンジンって主力にならない。マツダの開発能力の5%くらいに絞ったほうがいいと思う。
【画像ギャラリー】エンジンへのこだわりから生まれた技術!! マツダが発表したモバイル カーボン キャプチャー(8枚)画像ギャラリー









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