中国の新興トラックメーカーがベルギーに旗艦拠点! 車両の電動化で中国メーカーの欧州進出が加速?

中国の新興トラックメーカーがベルギーに旗艦拠点! 車両の電動化で中国メーカーの欧州進出が加速?

 バッテリーEV大型トラックを製造する中国の新興自動車メーカー、ウィンドローズ・テクノロジーズがベルギーのアントワープ港に欧州旗艦拠点を開設する。

 中国から部品を輸入し、港湾でトラックを組み立てた上で欧州各地に出荷するほか、北米向けの輸出も視野に入れている。貨物量の増大などアントワープ港にとってもメリットが大きく、いわゆるコンセッション(租界)方式で同社を歓迎している。

文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/Port of Antwerp-Bruges

アントワープ港が新興トラックメーカーを「歓迎」

中国の新興トラックメーカーがベルギーに旗艦拠点! 車両の電動化で中国メーカーの欧州進出が加速?
中国のウィンドローズがベルギーに拠点を設立する

 欧州最大規模の国際ハブ港湾となっているベルギーのアントワープ・ブルージュ港(アントワープ港/PoAB)は2026年1月29日、持続可能な物流における「新しいプレーヤー」を歓迎すると発表した。

 バッテリーEV(BEV)トラックを開発する中国の新興企業、ウィンドローズ・テクノロジーズが、同社の欧州旗艦拠点となる「ウィンドローズ・パーク・アントワープ」を港湾地区に設立するという。

 同社は米国市場などに進出しているほか、フランスにも工場を設立すると発表している。アントワープでは欧州市場向けの車両の組み立てを行なうほか、研究開発やアフターセールスも担うなど、欧州進出を加速する。

 単一市場を理想とするEUでは、加盟する1カ国で車両の型式認証を取得すれば他の加盟国(と非加盟のノルウェーなど)でも販売・登録が可能になる。ウィンドローズはスウェーデンで認証を受けており、米・中・欧の主要市場で販売が可能となっていた。

 アントワープ港は、いわゆるコンセッション方式(コンセッションは「租界」の意味で、行政が公共施設等の所有権を保持したまま、運営権のみを長期間にわたり民間事業者に譲渡する契約を指す)でウィンドローズの物流・生産活動を支援しするため、2区画(9.5ヘクタール)を同社に提供する。

 アントワープ港が市場調査を経てプロジェクトの推進を決定したもので、欧州経済の状況が厳しさを増すなか、ウィンドローズの計画は経済性や物流・戦略的価値などにおいて際立っていたという。

 ウィンドローズはテスラ「セミ」によく似た、キャブ中央に運転席を配置するBEV専用トラックを開発しているメーカーで、長距離輸送用トラックはAピラーを寝かせたクサビ形のデザインとなっている。705kWhのLFPバッテリーにより670kmの航続距離を謳い、単体の車両重量は11.9トンだという。

 アクスル構成は米国などで一般的な6×4のトラクタで、寸法(全長*全幅*全高)は、8100mm * 2545mm * 3935mm。日本市場には大きすぎるが、欧州市場ではセミトレーラ連結車として成立する。電動モーター3基により680kW(912hp)を発揮する。

中国メーカーが欧州を製造拠点に?

ウィンドローズのトラックは、運転席をキャブ中央に配置するBEV専用のトラクタだ
ウィンドローズのトラックは、運転席をキャブ中央に配置するBEV専用のトラクタだ

 かつて欧州の自動車メーカーは中国を製造拠点とするため、こぞって同国に進出していたが、電動化を契機にその流れは逆転し、中国メーカーが相次いで欧州に製造拠点を構えている。

 新たにその1社に加わったウィンドローズはBEVトラックのコンポーネントを(中国から)アントワープ港に向けて出荷し、アントワープでトラックを組み立てる。当然ながら完成車は欧州の法規に適合し、ベルギーから欧州のほかの市場に向けて出荷する。さらに、欧州有数のハブ港という地の利を活かして、北米市場に向けた輸出も視野に入れているそうだ。

 これにより地域の物流と製造活動が活発化し、極東地域からのコンテナ輸送量も増大することなどから、アンワープ港にとって利益が大きいと判断された。

 ウィンドローズ・パーク・アントワープは現地の不動産会社との合弁事業を通じて開発し、長期的には200人のフルタイムの雇用を創出する。また、運送会社やエネルギー企業、バッテリーメーカーなど現地企業との連携により、より広範囲のエコシステムにおける触媒としての役割も期待される。

 今回のプロジェクトは、再生可能エネルギー、内陸輸送とのコネクション(ウィンドローズはフランスのヴァランシエンヌに工場を設立することを発表している)、資源の循環利用などに強くフォーカスしており、アントワープ港が目指す持続可能な輸送と貿易のための国際ハブ港としての役割を強化するものだ。

 同港のジャック・ヴァンダーマイレンCEOは、「当港に持続可能なモビリティ分野の革新的な企業が加わりました。ウィンドローズ社がアントワープを欧州の旗艦拠点に選んだことは、この場所の国際的な魅力を改めて示すものです。プロジェクトは経済活動と雇用を創出するだけでなく、物流ハブとして、そして産業の拠点としてのアントワープ港の役割を強化するものです」と話している。

 いっぽう、ウィンドローズのハン・ウェンCEOは、「アントワープに旗艦拠点を開設できることを嬉しく思います。これは輸送の電動化に向けたグローバルなエコシステムを推進するという弊社の使命の始まりです。中国、フランス、米国など5大陸に展開するほかの拠点にとっても、ここが模範となることを願っています」と話した。

【画像ギャラリー】ベルギーに旗艦拠点を開設するウィンドローズのトラック(5枚)画像ギャラリー

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