近年、自動車の購入方法として主流になりつつある残価設定型ローン(残クレ)。高い残価率を設定することで月々の支払額を大幅に抑え、ワンランク上の車も購入しやすくなった。利用しやすい残クレは契約数が増加する一方、満了時の手続きを誤ると大きな負担を強いられることもある。特にクルマに乗り続けるための再ローンは絶対に避けるべきだ。
文:佐々木 亘/画像:Adobe Stock(トビラ写真=Kiroku_to_Kankaku@Adobe Stock)、ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】再ローンは残クレ時の金利2.9%が適用されない!? 満期後に選ぶのは一括清算がベスト!?(4枚)画像ギャラリー残クレ満了時の3つの選択肢
まず、残価設定型ローンの基本である満了時の手続きについて確認しておきたい。契約満了時、ユーザーは次の3つから1つを選択する必要がある。
( 1 )、契約満了したクルマを買い替える(または手放して新車は購入しない)
( 2 )、残債(残価)を現金一括で支払い、現在のクルマに乗り続ける
( 3 )、残債を再び分割払いにして返済しながら、現在のクルマに乗り続ける
残価設定ローンを利用したユーザーのうち約3割は、満了時に新車へ乗り換える「1」を選択するが、残り約7割は現在のクルマに乗り続ける「2か3」を選ぶのが実態だ。
ここで特に注意が必要なのが「3」の再ローンである。これは、よほどの事情がない限り選択すべきではない。その理由を詳しく解説していく。
再ローンが払えず強制的な買い替えになるケースも
残価設定型ローンの利点は、残価を設けることで契約期間中の月々の返済額が少なくなる点と、ディーラーローンの中でも低金利が適用される点にある。
しかし再ローンでは、残クレ契約時の低金利が適用されないのだ。ここに大きな落とし穴がある。具体的にどうなるのか、ファミリーカーとして選択が多い、ミニバンを例に考えてみよう。
車両本体価格は635万円する。登録諸費用やオプション代は現金で支払ったものとし、借入額は車両本体価格のみの635万円だ。
3年間の残価設定ローン(ボーナス払いなし)で金利2.9%、3年残価率を70%で計算すると、月々の支払額は約6万7000円だ。納車後3年間はこの金額を支払い続ければよい。
問題は納車から3年後、初回車検のタイミングだ。ここで、このクルマにさらに4年乗ろうと考え、再ローンを組んだとしよう。残価として残った444万5000円を借り入れ、借入期間は4年としたい。
ここで、注意したいのが、借り入れ金利は、当初残価設定ローンで設定された2.9%が適用されない点だ。
多くのディーラーでは、残価設定ローンの利用促進のために特別金利を設定している。これが再ローンになると、金利は通常のディーラーローンの基準金利に戻ってしまう。おおよそ4%台後半から6%程度なので、仮に借入金利5%で再ローンを組んでみよう。
444万5000円を4年・5%で元利均等返済すると、毎月の返済額はおよそ10万2000円。残価設定ローン時と比べると約2倍に跳ね上がるのだ。この返済が困難となり、乗り続けてきたクルマを手放す(他の車に買い替える)人が少なくない。これが残価設定ローンの闇の部分である。
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