フィットの勢い未だ回復せず……! やはり見た目がネックか!? 

フィットの勢い未だ回復せず……! やはり見た目がネックか!? 

 かつてカローラから年間販売台数1位の座を奪ったフィットが、今や苦戦を強いられている。社内ではフリードやヴェゼルに販売台数で負け、軽自動車のN-BOXには遠く及ばない。他メーカーのコンパクトカーが健闘する中、なぜフィットだけが低迷しているのか。その理由を考えてみよう。

文:佐々木 亘/画像:ホンダ、広汽本田、ベストカーWeb編集部

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ライバルとの販売台数の差が拡大

2020年に4代目となったホンダ フィット。2022年にはRSが追加された
2020年に4代目となったホンダ フィット。2022年にはRSが追加された

 2025年の年間販売台数を見ると、フィットは4万3222台で前年割れの状態。一方、ライバルのヤリスは7万2850台と堅調で、ノートはオーラとの合算で8万台に迫る勢いだ。

 フィットと同程度の販売が続いていたアクアも6万8499台で好調。ホンダとトヨタで比べると、ホンダはトヨタにヤリス販売分の差をつけられている形だ。ソリオやルーミーといったハイト系コンパクトカーも元気で、コンパクトカー市場が冷え込んでいるというわけでもない。市場全体で見れば、フィットだけが大きく沈んでしまった形なのだ。

 ホンダの稼ぎ頭であるべきフィットが、登録車ではヴェゼル、フリードに次ぐ3番手に甘んじ、N-BOXには完敗している状況。ホンダは、他のクルマが売れているからいいと考えているのだろうか。フィットこそ、ホンダスピリッツを色濃く反映させていたクルマだったのに。

改良のネタは尽きてしまったのか

虎の子RSも導入されるが、どうしても勢いやフィットファンの熱量は2代目や3代目に及ばずといったところか
虎の子RSも導入されるが、どうしても勢いやフィットファンの熱量は2代目や3代目に及ばずといったところか

 現行型は2020年2月に登場し、前評判は良好で販売初動も月販目標の3倍以上と勢いがあった。しかしすぐに失速。2022年のマイナーチェンジで待望のRSグレードが追加されたが、発売当初の勢いは戻っていない。

 2024年8月の一部改良は、オートリトラミラーや前席オートパワーウィンドウ、助手席シートバックポケット、ラゲッジルームランプの全車標準装備化が中心という寂しい内容だった。グレード別の改良も、HOMEとCROSSTARで本革巻ステアリングホイールとセレクトレバーが採用された程度で、目新しさに欠けた。

 2025年7月にも一部改良が施され、新規ボディカラーや特別仕様車の設定が行われているのだが、これも大きな起爆剤にはならず。

 登場から6年が経過する今年は、モデル末期と言えるが、話題性のある改良が行われていない。登場時の完成度が高かったフィットは、もう改良の余地がないほど仕上がっているということなのだろうか。

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復活のカギは印象的なデザインへの変更

中国では新しいフィットが登場した。同じデザインになるかはさておき、日本のフィットも新型となることが期待されている
中国では新しいフィットが登場した。同じデザインになるかはさておき、日本のフィットも新型となることが期待されている

 4代目となる現行型フィットは、端正な顔立ちと言えば聞こえは良いが、ライバルと比べて印象が薄い。記憶に残りにくいこのデザインを、フィットらしく変えることが復活への第一歩だろう。

 先代までのようなスポーティで力強いフロントマスクに戻せば、フィットのイメージが蘇る。現在のデザインは、優しいのかカッコいいのか、かわいいのか幾何学的なのかが曖昧で、フィットを見ても感情が動かない。多くの人は心を動かされるデザインの車に乗りたいはずだ。

 ヤリスもノートも、各メーカー共通のアイコンが入り、トヨタ顔・日産顔になっている。対してフィットは何顔なのか。ホンダ自体に明確なホンダ顔がないことも、フィットのデザイン迷走に拍車をかけている。

 売れているフリードやヴェゼルは、切れ長のヘッドランプデザインが特徴的だ。フルモデルチェンジとはいかなくても、マイナーチェンジでデザインを変更できれば、車の基本性能は良いだけに復活の足がかりとなるだろう。

 人は見た目が9割と言われるが、クルマも見た目が9割なのかもしれない。印象的なデザインへの刷新が、フィットをかつての爆売れ状態に戻す鍵となるはずだ。

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