高速道路上での路肩への停車はタイヤのパンクに代表される車両トラブルや急病といった緊急事態以外、後続車の追突などの事故防止の目的もあり原則禁止である。
そんな路肩と同様に非常駐車帯と呼ばれる待避場所がある。もちろん緊急事態以外で停めてはならない場所だが、どんな時に非常駐車帯を使うべきなのか?
この点に関して、高速道路会社や警察機関への問い合わせを元にベターな対処を考えてみた。
文:永田恵一、写真:編集部
■緊急事態もなるべくなら非常駐車帯を目指したい
まず高速道路の維持管理をする高速道路会社に問い合わせてみたが、結論としては「法が絡むことは回答できない」とのことだった。
次に高速道路を所轄する警察機関へ問い合わせてみた。
「基本的には路肩への駐車はバーストや急病などの緊急事態以外はやめていただきたいです。SAやPAまでは止まらないのが大原則です。(同乗者の急病など)車内の状況に猶予のある場合は、路肩ではなく非常駐車帯まで進んで待避してもらえれば」と回答してくれた。
つまりタイヤのバーストなど安全な運行が難しくすぐ事故につながりそうな場合は路肩に、同乗者の急病などの場合は非常駐車帯へという見解になりそうだ。
非常駐車帯とは路肩が続く中で幅が広がっている地点のことで、高速道路上ならおおよそ500mおき、トンネル内でも750mおきにある。
なるほど通常の路肩よりはスペースの広い非常駐車帯ならば、後続車への迷惑や追突事故につながる危険性は多少なりとも低くなるだろう。
非常駐車帯以外にも、高速道路上でやむを得ない停車をする際にはよりスペースのある高速バスのバス停が見つかれば、そのほうがリスクは減ることになるだろう(編註:バス停も通常は一般車両の駐停車禁止)。
言うまでもないが緊急事態のリスクを減らすためにはこまめな休憩や、日常からの車両点検を心がけるべきだ。
■高速道路上でのやむを得ない停車の際の注意点
これを期に事故や故障を含めて高速道路上でやむを得ず停車する際の注意点を確認すると、できれば非常駐車帯のような路肩の中でなるべくスペースのあるところを選ぶのに始まり
【1】停止したら万一後続車に追突された場合に自車が本線上に弾き飛ばされないよう、まずハンドルを左へ大きく切っておく
【2】ハザートランプ、発煙筒、自車の50m後ろに三角停止板を置くなどして、自車が路肩に止まっていることを後続車にアピールする
【3】クルマのそばをウロウロする、車内に残るといったことはせず、速やかにガードレールの外側に移動しクルマからなるべく離れて避難する
【4】高速道路上なら1kmおきに設置される非常電話か携帯電話を使い、道路緊急ダイヤル(♯9910)や警察か救急に助けを求める
上記の際には位置を知らせるため高速道路上の地点を示すキロポストの看板を見つけておきたい
いずれにしても高速道路を使うような遠出をする際には人もクルマもコンディションを整えて路肩への停車がないようするのを前提に、万一の際には状況に応じてもっとも危険が少ない手段を選んで欲しい。
コメント
コメントの使い方