トヨタ プリウスは、現行モデルで一気にスタイリッシュになった。低く構えたフォルムは文句なしにカッコいいが、そのぶん気になるのが後席と荷室の使い勝手だ。デザイン優先で実用性は犠牲になったのか? ファミリーカーとしても使えるのか? プリウスのリアルな実用性を見ていきたい。
文/写真:ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】とはいえ内装の質感爆上がり!! プリウスの車内を写真で(6枚)画像ギャラリー後席は広大ではないが、大人が普通に座れる実用空間
現行プリウスのボディサイズは全長4600mm、全幅1780mm、全高1430mmまたは1435mm。ホイールベースは2750mmだ。全高を抑えた流麗なシルエットが特徴で、いわゆる背の高いファミリーカーとはまったく違う方向のカッコよさがある。
トヨタ公式サイトでも、プリウスは「一目見て、惹き込まれる」デザインや、走りたくなる室内空間を訴求している。実用一点張りではなく、気持ちに刺さるクルマを狙っているのだ。
では後席はどうか。結論からいえば、ミニバンや背高SUVのようなゆったり感を期待すると違う。ただ、全長4600mm級のハッチバックとして見れば、実用性はきちんと確保されている。足元は大人が座れるだけの余裕があり、日常の移動や近距離の家族利用なら大きな不満は出にくい。
一方で、全高を抑えたデザインの影響はある。乗り込む時に頭まわりへ少し気を使う場面があり、後席に座った時の頭周りの開放感も、車高のあるミニバンとは別物だ。特に背の高い人を後席に長時間乗せる使い方が多いなら、購入前の試乗で後席チェックは必須。ここを見ずに「プリウスだから万能」と思うと「ちょっと違うぞ」となる。
ただし、プリウスはそもそも“広さ最優先”のクルマではない。低く構えたスタイル、運転席まわりの包まれ感、燃費と走りのバランスで選ぶ1台だ。後席は犠牲というより、デザインと走りのために割り切った実用空間。毎日4人フル乗車というより、普段は1〜2人、時々後席も使うという人にハマる。
荷室は意外と使える。ただし高さ方向には注意したい
荷室については、見た目の低さから「狭そう」と思われがちだが、実はかなり健闘している。KINTOの解説では、現行プリウスの荷室容量はハイブリッド車で410L、PHEVで284Lと紹介されている。PHEVは駆動用バッテリーなどの関係で容量が小さくなるが、ハイブリッド車なら日常の買い物や旅行荷物には十分使える容量だ。
とはいえ、荷室にもプリウスらしい割り切りはある。リアゲートは寝た角度の強いデザインなので、背の高い荷物を立てて積むのは得意ではない。ベビーカー、大きめのスーツケース、背の高い段ボールなどを頻繁に積む人は、実車で試したほうがいい。床面の広さはあるが、高さ方向はミニバン的に使えるわけではないのだ。
逆に、日常の買い物、通勤バッグ、2人分の旅行荷物、趣味の道具くらいならハイブリッド車の荷室はかなり頼れる。後席を倒せば長尺物にも対応しやすく、ハッチバックらしい使い勝手はしっかり残っている。見た目はクーペ風でも、完全にカッコだけへ振り切ったクルマではない。
価格はXハイブリッド2WDが276万9800円、Gハイブリッド2WDが324万7300円、Zハイブリッド2WDが387万500円。PHEVはGが384万7300円、Zが460万8900円だが、85万円のCEV補助金があるのでトータルでは結構安くなる。
燃費はXハイブリッド2WDがWLTCモード32.6km/L、GとZのハイブリッド2WDが28.6km/L、PHEVが26.0km/LでEV走行距離は87km。実用性だけでなく、燃費と走りの魅力まで含めて選べるのがプリウスの強みである。
結論として、プリウスの後席と荷室は「広々万能」ではない。でも「使えない」でもない。デザイン優先で何もかも犠牲にしたわけではなく、カッコよさと日常性をかなりうまく両立している。後席の頭上空間や荷室の高さに不安がある人は実車確認が必須だが、普段は少人数で使い、時々後席や荷室を活用するなら十分アリ。
今のプリウスは、実用車の顔をしたエコカーではなく、実用性も残したカッコいい相棒なのだ。
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